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スーパーゼネコンとは!?基本的な特徴を把握しよう

大手建設会社はゼネコンと呼ばれており、さらに一部の大きな会社は「スーパーゼネコン」と呼ばれています。
スーパーゼネコンは、一般的な建設会社とどのような違いがあるのでしょうか。
本記事では、スーパーゼネコンの概要、スーパーゼネコンと呼ばれる会社の特徴や年収などをご紹介します。

スーパーゼネコンとは

ゼネコンは「ゼネラルコントラクター」の略称で、大手の建設会社(総合建設業者)を指します。
そのゼネコンのなかでも特に規模が大きく、売上高が1兆円を超えている会社が「スーパーゼネコン」と称されます。
主にスーパーゼネコンは、都市開発や国家規模のインフラ工事などを担当しています。
2021年現在、5つの建設会社がスーパーゼネコンに指定されています。

【関連記事:ゼネコンへの就職志望者が知っておきたいポイント。仕事内容や年収事情を解説

準スーパーゼネコン (大手ゼネコン)

スーパーゼネコンに続く会社は、準スーパーゼネコン(大手ゼネコン)と呼ばれています。
大きな違いは、売上規模です。
スーパーゼネコンの売上高は、単体で1兆円以上とされています。

一方、大手ゼネコンは売上高3,000億円を超える会社です。
大手ゼネコンも売上高の規模は大きいですが、スーパーゼネコンと比べると売上高が一桁違います。

スーパーゼネコン5社・特徴

施工管理職の男性

2021年現在、日本でスーパーゼネコンと呼ばれているのは下記の5社です。
ここでは、スーパーゼネコン5社の概要や社風などをご紹介します。

大成建設

大永建設株式会社は、1873年創業の東京都新宿区に本社を置く企業です。
日本全国に支店があり、アジアやアフリカ、ヨーロッパなど海外にもネットワークを持っています。
中部国際空港、明石海峡大橋、東京都庁第一庁舎など大規模な国家プロジェクトをいくつも担当したことで知られています。

「For a Lively World」というグループスローガンを掲げており、風通しの良い社風が特徴です
近年は「地震に強いコンクリート住宅」と銘打った一般向け住宅「パルコン」なども提供しています。

大林組

株式会社大林組は、1892年創業の東京都港区に本社を置く企業です。
日本全国の他、海外にも支社がありグローバルに展開しています。
太陽の塔、表参道ヒルズ、大阪ドーム、関西国際空港、京都駅ビルなどを施工したことで知られています。

近年は建設業の枠を超え、宇宙開発事業にも進出しているようです。
「地球に優しい」リーディングカンパニーであることが企業理念に掲げており、再生可能エネルギー事業や積極的に新技術の開発を行っている企業です。

清水建設

清水建設株式会社は、1804年創業での東京都中央区に本社を置く企業です。
日本全国だけでなく、アジアやヨーロッパなどにも拠点を設けています。
代表的な施工物件に、横浜スタジアム、大阪国際空港ターミナルビル、警視庁本部庁舎、ヒルトン東京ベイなどがあります。
大型の建築物だけなく、中小規模の建築物にも携わっている企業で、伝統建築のメンテンナンスも行っているのが特徴です。
女性を含めた多様な人材が働きやすい環境を整えており、働きやすい風土作りに力を入れている企業です。

鹿島建設

鹿島建設株式会社は、1840年創業の東京都港区に本社を置く企業です。
日本全国はもちろん、アジア、オセアニ、北米、ヨーロッパに法人を構えています。
代表的な施工物件に最高裁判所、両国国技館、国立新美術館、霞が関ビルディングなどがあります。
企業理念に「進取の精神」を掲げており、スーパーゼネコンの中でも最多のグループ企業数を誇っているのが特徴です。
不動産事業に注力しており、規律を重んじる社風とされています。

竹中工務店

株式会社竹中工務店は、江戸時代初期・1610年創業の大阪市に本社を置く歴史ある企業です。
竹中工務店の始祖竹中藤兵衛は、織田家の普請奉行(奉行=武家時代の職名)だったようです。
つまり原点は、戦国時代まで遡ることになります。

「最良の作品を世に遺し、社会に貢献する」という経営理念を持っており、特に建築へのこだわりが強いのが特徴です。
代表的な建築物に東京ドーム、東京タワー、東京宝塚劇場、日本武道館などがあります。

また、スーパーゼネコンの中で唯一の非上場企業です。
母体である竹中工務店は建築専業、土木関連は子会社で行っています。

スーパーゼネコン5社・年収

  • 大成建設:平均年収1,010万円、平均勤続年数約18年
  • 大林組:平均年収1,057万円、平均勤続年数約17年
  • 清水建設:平均年収1,006万円、平均勤続年数約15年
  • 鹿島建設:平均年収1,134万円、平均勤続年数約18年
  • 竹中工務店:平均年収1,043万円、平均勤続年数約19年

スーパーゼネコン5社の平均年収は、いずれも1,000万を超えます。
いずれの企業も平均勤続年数が長く、建設業界としては驚異的な長さです。

スーパーゼネコンへの転職事情

施工管理者のキャリアアップの方法はさまざまですが、そのなかでも「今よりも大きな企業で働く」ことを考える人は珍しくありません。
スーパーゼネコンは日本トップクラスの企業であり、年収や待遇面、さらに仕事の規模も大きいためキャリアアップのための職場としては非常に魅力的なのではないでしょうか。
ただ、求められるスキルや経験が高く、下請会社はもちろん準大手・中堅ゼネコンからの転職も簡単ではありません。
スーパーゼネコンにはさまざまな部署がありますが、施工管理職の人が転職を目指すのであれば「1級施工管理技士」などの上位の資格取得が重要になるでしょう。

■施工管理技士の種類(1級・2級)

  • 建築施工管理技士
  • 土木施工管理技士
  • 電気施工管理技士
  • 管工事施工管理技士
  • 造園施工管理技士
  • 建設機械施工管理技士
  • 電気通信工事施工管理技士

※出典:国土交通省「技術検定制度

また、スーパーゼネコンへの転職を含めたキャリアアップのために「1級建築士」の取得を目指す施工管理者もいます。
建設系の会社の多くは「建築士事務所」として登録していることが多いです。建築士事務所として登録する際、1級・2級建築士の数も記載する必要があるため、需要が高いと考えられます。

■建築士の業務

  • 敷地選定に関わる調査企画
  • 建築計画書元の確定に関わる調査研究
  • 工事費予算を確定するための調査研究
  • 建築物の現状調査
  • 設計図、仕様書、工事費積算書の作成
  • 監理業務

建築士の業務や試験内容は、施工管理技士と比べると実務に直結しません。ただ、他の施工管理者よりも深く、広い知識を習得していることを分かりやすく明示できるうえ、スーパーゼネコンも施工管理技士・建築士の数を記載するケースが多いため、転職の際に有利に立ちやすくなるのではないでしょうか。

ゼネコンが求める人物とは

ゼネコンは施主との距離が近く、さまざまな下請会社をとりまとめなければならない立場のため、コミュニケーション能力やプロジェクト全体を俯瞰して調整する力が求められます。

スーパーゼネコンへの転職のポイント

スーパーゼネコンの募集はいつも行われているわけではありません。複数の転職サイトに登録して随時、募集されていないか確認するとともにコーポレートサイトもチェックしましょう。
非公開で求人している可能性もあるので「転職エージェント」の活用を検討することをおすすめします。

また、現職の規模や仕事内容、経験、スキル、年齢によっては直接スーパーゼネコンへの転職を狙うよりも、準大手・サブコンへのステップアップを目指すことも考えてみてはいかがでしょうか。
より規模と責任の大きい業務を任せてもらいやすく、スーパーゼネコンに転職を図る際に有利になりやすい経験などを得られる可能性があります。

スーパーゼネコンは日本が誇る総合建設会社

売上高が1兆円を超える建設会社5社「スーパーゼネコン」について、紹介してきました。

大規模な建築・土木の工事を請け負っていますが、各社ともに新事業などを展開しています。
5社すべてが、平均年収が1,000万を超える高収入で平均勤続年数も長いことから、安定していることが分かります。
まさに別格の存在といえるでしょう。

スーパーゼネコンへの就職希望の方は、まずは各社の特徴を把握してみてはいかがでしょうか。