近年、建設業界においてもロボットの導入が進んでいます。
しかし、重機などと違いロボットをどのように活用するのかイメージがわかない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、建設業界におけるロボット導入の背景やスーパーゼネコンのロボット導入事例などをご紹介します。
ロボット導入の背景
建設業界においても、ロボット開発と導入が加速しているといわれています。
その原因の一つがコロナ禍において、人員を削減せざるを得ない現状です。
従来のように現場に多くの作業員を配置することが難しくなり、企業はプロセスの再検討を余儀なくされています。
ロボットを活用し、より短時間で多くの作業を行えるようになれば、人員を削減しても問題なく施工を行うことができるようになります。
そのため、ロボット導入などの自動化が注目されるようになりました。
また、ロボットによる作業効率化は働き手不足対策としても期待されています。
スーパーゼネコンのロボット導入
ロボットの導入は、スーパーゼネコンなどの大企業から始まっています。
ここでは、日本のスーパーゼネコンのロボット導入事例をご紹介します。
鹿島建設
鹿島建設は2021年3月のプレスリリースにて、AI・自律移動システムを搭載したロボット「raccoon」を発表しました。
清掃用ロボットして実装されており、最短3タッチの操作でコンクリート表面の粉塵やゴミを自動で清掃できる機能が搭載されています。
大成建設
大成建設は、2021年5月に建設現場での品質管理や安全の確認を行える四足歩行ロボット「T-iRemote Inspection」を発表しました。
現場の巡視業務の効率化を目的として開発されたもので、専門知識のない人間でも容易に操作ができることを特徴としています。
竹中工務店
竹中工務店は、線や文字などを床に正確に書き込める自走式墨出しロボットを発表しています。
工事開始前日の夜間に作動させておき、墨出し作業を終わらせることができれば、翌朝スムーズに工事に取り掛かれます。
清水建設
清水建設は、画像センサーとレーザーセンサー、2本のロボットアームを搭載した「多機能作業用建設ロボット」を発表しました。
2つのセンサーを用いて施工部位を確認し、ロボットアームを使用して天井ボートの取り付けや下地材の組み立てなどを行います。
2021年現在ではまだ開発段階とされており、今後の導入が期待されています。
大林組
大林組では、重い資材を自動で運んでくれる建設ロボット「低床式AGV」の開発に着手しています。
オペレーターがタブレットなどで指示を出すと自動で資材を探し出し、建設現場まで自動で運搬してくれます。
業務効率化や働き手不足対策として期待されている
ロボットを導入することは業務効率化や生産性向上につながり、これからやってくる働き手不足時代への対策としても考えられています。
現在では主に大企業が採用している方法ですが、将来的には多くの企業での導入・普及が期待されています。