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建設現場では休憩は取れる!?環境整備が重要な理由

建設業界は環境整備が徐々に行われていますが、いまだに「きつい」「休憩がない」などのイメージを持っている人が多いのが現状です。
建設現場では体力が必要とされますが、健康的に働くには適切な休憩時間を取ることが大切です。

本記事では、建設現場の休憩時間の定義や一般的な休憩回数、国が推奨する環境整備などをご紹介します。

休憩時間の定義

休憩時間は労働基準法などによって定められています。
労働時間が6時間を超える場合は45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩が必要です。
休憩時間は「労働から離れることが保障されている労働者の権利」のため、電話や来客対応などの必要がある場合は休憩時間と見なされません。

建設現場の休憩時間は多めに設定されている

炎天下や厳しい寒さの中で働くことの多い建設現場では、休憩時間はこまめに設定されることが多いです。
一般的に12時ごろの昼休憩のほかにも、10時と15時ごろに休憩を取ります。
熱中症になる危険が高い気温の場合は、さらにこまめに水分補給休憩などを取るケースもあります。

建設現場での一般的な1日のスケジュール

ここでは、休憩時間を含めた一般的な建設現場の1日のスケジュールをご紹介します。

  • 7時30分:朝礼、ラジオ体操等
  • 8時30分:現場作業
  • 10時:休憩(30分)
  • 10時30分:作業
  • 12時:昼休憩(1時間)
  • 13時:作業
  • 15時:休憩(30分)
  • 15時30分:作業
  • 17時:作業終了

休憩時間は、水分補給や体を休めるなど作業員が自由に過ごせる貴重な時間です。
また、作業員同士や施工管理士と作業員が親睦を深めるためにも重要な時間とされています。

国が推奨する環境整備

建設現場

最近の建設業界では、女性も男性も誰もが働きやすい環境を取れるような環境整備を進めています。
環境整備が重要な理由として挙げられるのが、将来の担い手確保です。
日本は少子高齢化などの影響もあり、どの業界でも労働者不足が深刻です。
中でも建設業界は「きつい」「しんどい」という従来のイメージがあるため、そのイメージを払拭するような環境整備が求められています。
ここでは国が推奨している、「誰もが働きやすい環境整備」の内容をご紹介します。

熱中症予防のための休憩場所の整備

以下のような、作業員のための休憩場所の整備が行われています。

  • 作業場所の近隣に体を適度に冷やせる冷房やシャワー等を設置
  • 冷蔵庫や製氷機等の備品の設置
  • 経口補水液等の常備
  • 休憩所を設置できない場合は休憩用の車両を配備

作業時間の短縮

高温多湿の場所で作業をする場合は、休憩時間のほか作業休止時間を設けて作業時間の短縮などが行われています。
熱中症予防のため、休憩は1時間に1回程度取ることもあります。
また以下のような環境整備が行われています。

  • 携帯型WBGT値計測器を現場職長が携帯し、値が厳重警戒になった場合は作業を休止する
  • 出勤時刻の前倒し
  • 作業環境に慣れていない作業員は作業時間や作業内容を考慮する
  • 定期的な水分や塩分の摂取の指導

労働者の健康状態の確認

以下のような方法で、労働者の健康状態の確認や健康状態を自身で確認できるような仕組みが導入されています。

  • 健康状態自己チェックシート
  • 体調チェック表
  • 尿チェック

これらは、日々の体調を自己申告するための表や指導方法です。
尿チェックはトイレに尿の色に関する張り紙をする方法で、脱水症状を自身でチェックできます。
またこれに加えて、職長による聞き取りの体調管理が行われる場合も多いです。

快適トイレの設置

建設現場に設置されるトイレは、仮設トイレが一般的でした。
しかし仮設トイレは臭いや汚さなどがあり、快適な環境とはいえない環境にありました。
この事態を解決するため、国土交通省は快適トイレの設置を推奨しています。

快適トイレとは、以下の仕様を満たすトイレを指します。

  • 洋式便座
  • 水洗機能
  • 臭い逆流防止機能(フラッパー機能)
  • 簡単に開けられない施錠機能(二重ロック等)
  • 照明設備(電源がなくても良いもの)
  • 衣類掛け等のフック付きまたは荷物置き場設備機能(耐荷重5kg以上)

また備える付属品としては、以下の条件があります。

  • 現場に男女がいる場合は男女別の明確な表示
  • 入口の目隠しの設置(入口が直接見えないような配置等)
  • サニタリーボックス(女性用トイレに限る)
  • 鏡付きの洗面台
  • 便座除菌シート等の衛生用品

以上は現場に導入するにあたって必須の装備品です。

さらに、以下の付属品の設置を推奨しています。

  • 室内寸法 900×900mm 以上
  • 擬音装置
  • フィッティングボード
  • フラッパー機能の多重化
  • 室内温度の調整が可能な設備
  • 小物置き場等(トイレットペーパーの予備置き場等)

休憩時間に快適に使えるトイレがあることで、労働環境の大幅な改善につながるでしょう。

出典:国土交通省「建設現場に設置する「快適トイレ」の標準仕様決定
出典:国土交通省「女性の定着促進に向けた建設産業行動計画
出典:国土交通省「建設現場における熱中症対策事例集

建設現場では休憩時間を快適にする環境整備が行われている

適切な休憩時間の取得は労働者の権利であり、心身を健康に保つために欠かせません。
近年では国が主導し、労働者が安心して働けるようなさまざまな環境整備が行われています。
建設業界で働きたい、転職を考えている方は、気になる企業がどのような環境整備を行っているかチェックしてみてはいかがでしょうか。