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レインボーブリッジの建設について知ろう!構造や工事の流れ

レインボーブリッジは、臨海副都心線の象徴として開通しました。
ドライブや観光スポットなどとして知名度の高い橋ですが、歴史や構造、工事の流れについてはあまり知らないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、レインボーブリッジの歴史や構造、工事の流れなどをご紹介します。

レインボーブリッジが建設された背景

レインボーブリッジは、東京湾にかけられた吊り橋で正式名称は「東京港連絡橋」です。
1990年代、東京湾の埋め立て地に「東京臨海副都心」が整備され、それを象徴する建造物として作られました。
レインボーブリッジは、東京都港区芝浦地区と港区台場、および江東区有明を結ぶ基幹交通施設として計画されました。
さらに、都心への交通集中を解消する目的や景観の美しさを兼ね備えた橋として、計画が進められたとされています。

レインボーブリッジの構造

レインボーブリッジは、張力で橋の床を吊り下げて支える「吊り橋」です。
上下2層構造で、上には「首都高速11号台場線」、下には一般道である「臨港道路」、臨海新交通システム「ゆりかもめ」、他には「歩道」が通っています。
全長798mm、中央径間570mという巨大な構造です。

レインボーブリッジの完成まで

ここでは、レインボーブリッジの完成までの流れをご紹介します。

建設の条件・課題

レインボーブリッジは、東京湾を行き交う船舶の邪魔をしないように、主塔と主塔の間(中央径間)が570m以上、桁下クリアランスが50m以上必要でした。
さらに、羽田空港を離着陸する飛行機の空間を確保するため、高さを海面から155m以下に抑えなくてはいけませんでした。
これらの課題を解決するため、首都公団は1983年に専門家を集めた「東京湾連絡橋の設計施工に関する調査研究委員会」を発足します。
そこで検討を重ねた結果、航路部は吊り橋にし、端の前後に1kmを超えるアプローチ部を設けることで高さを確保しました。

着工~完成まで

工事を担当したのは、海洋土木トップの企業である「五洋建設株式会社」です。

1.基礎工事
まず「ニューマチックケーソン工法」と呼ばれる方式で主塔の基礎を設置します。

2.アンカレイジ工事
次に吊り橋のメインケーブルを固定させるためのブロックである「アンカレイジ」を設置する工事を行いました。

3.主塔・側塔工事
主塔と側塔を設置する工事を行います。
主塔は、首都高速道路面より上の部分は何もない形が特徴です。
これは景観の良さを目立たせるためのデザインとされています。

4.ケーブル工事
作業用の通路を作り、その後にケーブルを渡す工事が行われました。

5.補剛桁(ほごうげた)工事
補剛桁は、橋の床などの通行部分に補強の目的で設置する桁です。
主塔の起点として設置されました。

6.付属施設などの設置
ライトアップの照明や高速道路の安全を確保するための施設などを設置して完成です。

レインボーブリッジ誕生による効果

レインボーブリッジ

1993年8月26日に開通したレインボーブリッジによって、それまで一つのルートだけだった都心環状線と湾岸線が南北で結ばれることとなりました。
これにより箱崎ジャンクション付近の渋滞が緩和され、東京ベイエリアや羽田空港などへの連結もスムーズになったようです。
さらに東京臨海副都心へのルートが増えたことで、このエリアの注目度が一気に高まりました。

レインボーブリッジは輝かしい未来の到来を予感させる橋

レインボーブリッジによって都心環状線と湾岸線を南北で結ぶことで、渋滞の緩和や都心部とのスムーズな連結が実現しました。
一般公募で決められた「レインボーブリッジ」という名称の通り、当時は輝かしい未来を予感させる虹の橋として大きな期待がかけられていました。
そしてレインボーブリッジは、今日まで東京都の代表的なシンボルの一つとして親しまれています。