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建築基準法改正は災害の歴史。耐震性能の向上を目的とした取り組み

日本は地震の多い国です。
これまでに起きた多くの震災を教訓として何度も建築基準法の改正を行い、建物の耐震化を進めています。
本記事では、建築基準法改正の歴史と耐震性能向上のための取り組みについて解説します。

建築基準法の改正遍歴

  • 1919年:市街地建築物法制定(建築基準法の前身となる法律)
  • 1950年:建築基準法制定
  • 1971年:建築基準法 施行令改正
  • 1981年:建築基準法改正
  • 2000年:建築基準法改正
  • 2002年:シックハウス症候群に対する規制
  • 2007年:耐震偽装問題に対する対策
  • 2018年:建築基準法改正

1950年に制定された建築基準法は、「集団規定」と「単体規定」から成り立っています。
集団規定とは、都市の環境を保護する目的で建築物や敷地と道路との関係、建築物の用途や規模、
形態などを定めるものです。
一方、単体規定は敷地や安全、防火、避難施設、衛生上の基準など、建物自体の基準を定めるものです。
建築基準法には、災害や社会のニーズに合わせて改正が行われてきた歴史があります。

災害によって改正された耐震性能の向上

建築基準法制定後、建物の耐震化を進めるべく2度の大きな法改正が行われています。

1981年の建築基準法改正

1978年に発生した宮城県沖地震の被害を受け、1981年には新たな耐震基準が定められました。
既存の耐震基準では、震度5強程度の中規模地震で家屋が倒壊しないことを目標としていました。
一方、新たな耐震基準では、震度6強~7程度の大規模な地震でも建物の倒壊や損傷を受けないことを基準としています。

2000年の建築基準法改正

1995年に発生した阪神淡路大震災の被害を受けて行われた2000年の法改正では、
木造住宅に関する耐震性能の向上が図られました。
具体的には、次のようなことが定められました。

  • 建物の重みによって建物が沈下する現象を防ぐため、地盤に合わせた基礎をつくる
  • 柱や筋交いを固定する金物の種類を指定して固定力を高める
  • 地震による水平方向の圧力に耐えるための耐力壁をバランスよく配置する

この法改正では、一定の性能を満たすことで採用できる材料や構造方法などの種類が広がったため、
技術開発も促進され、建築コストの低減につながるといったメリットも生じています。

災害にも耐え抜く建物の建築を目指す建築基準法の改正

建築基準法は、より安全で安心な生活を守るため、耐震基準などの見直しが行われています。
2000年の法改正の内容も含め、建築物を建設するときに必要となる耐震基準を理解しておきましょう。