Menu

日本と海外諸国の建設機械メーカーの違い。4つの観点から比較

日本の建設機械メーカーは、世界でも大きなシェアを持っています。
では、日本と海外諸国の建設機械メーカーには、どのような違いがあるのでしょうか。

本記事では、建設機械業界の全体像として日本と海外諸国の建設機械メーカーを4つの観点から紹介します。

比較観点①:収益

日本の4大総合建機メーカーと呼ばれているのが、コマツ、日立建機、コベルコ建機、住友建機です。
上記の4大総合建機メーカーとアメリカの建設メーカー「キャタピラー」との収益はどのように違うのでしょうか。
収益のトップは、キャタピラーです。
収益は、2位のコマツの約2倍です。
ちなみに、収益3位は日立建機でコマツの収益の半分ほどのようです。

販売費と一般管理費の割合が高い

日本企業は「販売費及び一般管理」の割合が比較的高いのが特徴です。
また近年、成長著しいのが中国の三一重工です。
安価な人権や補助金等を活用した低価格をウリにしており、中国国内でシェアを拡大しています。
獲得した資金はサプライチェーン構築や販路拡大、優秀な人材の採用などに振り分けられています。

比較観点②:効率

効率性を表す指標はROA(総資産利益率)で分かるとされています。
ROAは、保有している資産から効率よく利益を生み出しているかを示しています。
分母には保有している資産の合計となる「総資産」を用います。
分子に使う利益はさまざまで、日本は経常利益等を用います。
これは国際会計基準ではないため、税引前当期純利益が用いられることもあります。

ROAの平均は3~4%とされており、米国や欧州に比べて日本の建設メーカーは低めです。
しかし、世界に引けを取らない水準です。

比較観点③:安全

日本メーカーの財務構造は健全とされています。
コマツと日立建機、三一重工、キャタピラーの4社を、財務構造の安全を示す株主資本比率で比較します。

  • コマツ…約50.5%
  • 日立建機…約42.1%
  • 三一重工…約44.8%
  • キャタピラー…約19.6%

コマツ、日立建機、三一重工は、それぞれ健全な水準です。
キャタピラーが19.6%と低いのは、長期債務を多く持っていることが一因と考えられます。

キャッシュフローの水準確認も必要

安全性を知るには、稼ぐ力と負債のバランスを確認することも重要です。
負債キャッシュフロー倍率は、負債が営業キャッシュフローの何倍あるかで分かります。
たとえば、10倍であれば10年で返済できることを示しています。
一般的には10年以下が望ましいとされています。

比較観点④:成長性

建設業の従業員

成長性は、投資家にとって魅力的な企業であるかどうかを示す指標になります。
多くの企業が2020年度の新型コロナウイルスの感染拡大の影響によりマイナスになる中、三一重工はプラスとなっているようです。

ROEやEPSが示すもの

ROE(株主資本利益率)は、株主から見た投資比率です。
コマツと日立建機はいずれも前年費を大きく下まわったようですが、新型コロナウイルスの感染拡大が影響していると考えられています。

また、EPS(1株当たりの純利益)も重要となります。
株価が上がれば資金調達力や買収貿易力が高くなるため、買収や提携の交渉で優位に立つことができます。

日本と海外の建設機械メーカーについて知ろう

日本の建設機械メーカーは、世界でも大きなシェアを持っており、今でもそれは変わりません。
ただし、中国の三一重工のように成長していた企業もあるため、今後は経営指標を見ながら注目していく必要があるでしょう。