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公共工事は国民のためのもの!需要評価の考え方

大規模な公共工事は、環境や経済に大きな影響を与えます。
このような公共工事は、地域住民・国民の生活のために行われるものでなければなりません。
しかし現実には、公共工事の意義とは別の理由で行われることもあるようです。

本記事では、公共工事の問題点、公共工事の需要評価の考え方についてご紹介します。

公共工事の意義

本来、公共工事は一部の当事者が利益を得るためではなく、地域住民・国民のために行われるものです。
しかし、一部の当事者だけに有益な工事があることが指摘されています。

公共工事では、便益がその利用を上回る必要があります。
入札をして最低限の費用で工事ができたとしても、便益に効果がなければ事業自体が無駄になります。
たとえば、100年に1度しか起きない可能性の高い災害のため、防災対策工事を計画することもあります。
上記のような場合、どのくらいの安全を確保するためにどういった工事をするかは、
コストと便益を比較しなくてはいけません。
厳密な比較は難しいですが、地域振興のための工事として費用を上回るような便益を見積もる問題も発生しています。

出典:一般社団法人日本建設業連合会「建設市場の現状

公共工事の需要評価

ここでは、公共工事の需要評価の考え方について解説します。

航空需要

多くの空港では、利用実績が需要予測を下まわっているとされています。
その原因の一つは、過大な需要予測を元に地方空港を建設してきたことです。
採算の悪い新設空港では、着陸料の減免や発着便利用者への費用を助成する自治体などもありますが、
利用客自体が減っているので根本的な解決には至っていません。

ダム需要

八ッ場ダム建設事業の再評価では費用便益比3.4となっており、中止されていた工事が再開されました。
再開時には批判の声もありましたが、2019年の台風19号豪雨では八ッ場ダムへの貯水により下流の水位を下げるなど、効果があったと考えられています。

災害対策需要(東日本大震災)

東日本大震災の被災沿岸部では約1兆円もの税金が使われ、
巨大防潮堤建設をすることについて計画の見直しを求める地域住民の間で話し合いが難航しました。
高台に移動したのに巨大防潮堤が必要なのか、どのように守るためのものなのかといった住民の疑問に
行政が答えていないためとされています。
このことから公共工事の評価は、長い時間が経った後に考える必要があると指摘されています。

公共工事は一部の当事者が儲かるためのものではない

公共工事は、地域住民・国民のために行われるものです。
しかし、ダムや防波堤等いつ発生するか分からない災害に備えるものは需要予測が難しいことがあります。
そのため、長いスパンで見たときに国民にとって必要である工事であるか、
国民にしっかりと説明する必要があるといえるでしょう。