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日本の新幹線は高水準!建設費用から見た問題点はある?

日本の新幹線は高水準といわれています。
しかし、維持管理や建設には多額の費用がかかっており、問題も指摘されています。

本記事では、日本の新幹線の技術水準、維持管理や建設費用の問題点などについてご紹介します。

日本の新幹線に用いられる技術

新幹線は、大部分の区画で時速200kmを超える乗り物です。
そのため、在来線とは異なった技術が使われています。
動力には、編成各車両に分散されている「動力分散方式」が用いられています。
これは山が多く、地盤が良くない日本で列車を高速運転させるのは、
機関車が客車を牽く「動力集中方式」よりも適しているためです。
動力分散方式はカーブや勾配の多い地形でも加減速能力に優れ、線路への負担が少ないのが特徴です。

世界でも高水準の技術が用いられていますが、維持管理については問題点も指摘されています。
たとえば、トンネルのコンクリート剥落事故です。
これは高度成長期に建設された山陽新幹線で発生した事故で、手抜き施工が原因だと判明しました。

政治と新幹線

多くの人の交通手段となっている新幹線ですが、政治とは切っても切り離せない関係にあります。
たとえば、札幌・敦賀・長崎の3区間は民主党政権時代に公共事業の見直しの一環として
新幹線の開通が決定されました。
その後、自民党政権になり通常10年であった工事期間を延ばすことで、
1年あたりの負担額を減らし着工しました。
北海道は2030年度末、北陸の金沢・敦賀間は2023年度末完成予定です。

建設費と効果のバランス

新幹線の工事はさまざまな場所で進んでいますが、効果が費用を下まわる例もあります。
金沢・敦賀、武雄温泉・長崎間は、着工時には1.1であった効果が、0.9と0.5になると試算されました。
これは人件費や資材費の高騰によって、建設費が増加したことが原因とされています。
既に開業している新青森・函館北斗の北海道新幹線は、年間100億円の赤字とされています。
新幹線は政治の影響を受けますが、建設の効果を議論することが大切といえるでしょう。

出典:国土交通省「全国の新幹線鉄道網の現状

新幹線の問題点について知ろう

高水準な日本の新幹線は、利用客にとっては利便性の高い乗り物です。
しかし、路線によっては需要が低い場所もあり、赤字になっている場所も少なくありません。
そのため、維持管理を含めた建設効果について、しっかりと議論することが重要といえるでしょう。