板金工事とは、建設業の29業種のひとつであり専門工事です。
本記事では、板金工事とはどのような工事か、屋根工事との違いなどをご紹介します。
板金工事とは
板金工事は、金属薄板などを加工して工作物に取り付けたり、工作物に金属製などの付属物を取り付けたりする工事です。
金属建材の工事を担う業種になります。
例えば、屋根工事の一部や外壁の水切り、ダクトなど、板金を使用する工事全般を指します。(※屋根工事と板金工事の細かい分類の考え方については、後述で解説します)
また、板金工事は専門工事に分類されるため、工事をする前に必ず建設業許可を取得しなくてはいけません。
出典:国土交通省「業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方」
建設業許可を取得するための要件
板金工事の建設業許可を取得するためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 経営業務管理責任者の条件を満たす者が常勤している
- 専任技術者の条件を満たす者が常勤している
それぞれ詳しくご紹介します。
経営業務管理責任者になれる条件
- 「板金工事業においての経営経験」が通算して5年以上ある
- 「他の建設工事業種での経営経験」が通算して6年以上ある
専任技術者になれる条件
専任技術者になれる条件は、一般建設業許可と特定建設業許可によって異なります。
一般建設業許可
以下のいずれかに該当する技術者が、一般建設業許可を取得できる専任技術者となります。
資格保有者/経験者
- 1級建築施工管理技士
- 2級建築施工管理技士(仕上げ)
- 技能検定 建築板金「ダクト板金作業」
- 技能検定 工場板金
- 建築板金(選択科目「建築板金作業」)
- 板金(選択科目「建築板金作業」)
- 板金工(選択科目「建築板金作業」)
- 板金、板金工、打出し板金
- 基幹技能者 登録建築板金基幹技能者
- 指定学科を卒業後一定期間の実務経験がある
- 建築学、機械工学科の大学を卒業後、板金工事に関する3年以上の実務経験がある
- 建築学、機械工学科の高校を卒業後、板金工事に関する5年以上の実務経験がある
- 板金工事業に関する10年以上の実務経験者がある
特定建設業許可
以下のいずれかに該当する技術者が、特定建設業許可を取得できる専任技術者となります。
資格保有者/経験者
- 1級建築施工管理技士
- 板金工事業に関する10年以上の実務経験者
もしくは、指定学科(建築学、機械工学)卒業+板金工事の実務経験
があり、指導監督的な実務経験が2年以上ある
板金工事の工事例

板金工事には、いくつかの工事の種類があります。
ここでは、2種類の工事例をご紹介します。
板金加工取り付け工事
金属を薄く平らな形状にしたものを、切断加工や曲げ加工などでさまざまな形状に加工し、取り付ける工事のことです。
建築板金工事
建築物の内外装として板金を張り付ける工事のことです。
建築物の外壁にカラー鉄板を張り付けたり、厨房の天井にステンレス板などを張り付けたりする工事です。
出典:国土交通省「業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方」
板金工事と屋根工事の違い

板金工事と似ているのが屋根工事です。
同じような材料であっても、屋根に金属板などを張り付ける工事は「屋根工事」に分類されます。
板金と似ていますが、瓦、スレート、金属薄板などは屋根をふく材料のことを分類したものにすぎません。
さらに、これら以外の材料による屋根ふき工事も多いため、これらはまとめて「屋根ふき工事」となります。
つまり、板金屋根工事も「屋根工事」に該当するのです。
具体的には、以下のような工事が屋根工事に分類されます。
- 屋根ふき工事
- 屋根ふき替え工事
- 屋根塗装工事
- 棟板金交換工事
- 雨樋交換工事
- 漆喰補修工事
板金工事は基本的に金属板などを扱う工事ですが、屋根に張り付ける場合は屋根工事となることを覚えておきましょう。
出典:国土交通省「業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方」
屋根工事との違いを知っておこう
板金工事は、金属の薄板を利用した工事のことを指します。
板金工事は板金を扱うため、屋根工事と間違えやすい部分も多いです。
屋根に金属板などを張り付ける工事などは、まとめて屋根ふき工事に分類されます。
間違えやすい部分なので、屋根工事とどのような違いがあるのかを事前に確認しておきましょう。