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浚渫工事とは!?工事の方法や流れを解説

浚渫工事は、29種類ある建設業のうち専門工事に分類される工事です。
浚渫は「しゆんせつ」と読み、海や川の安全には欠かせない工事となります。

本記事では、浚渫工事が行われる目的、工事の種類や流れなどを解説していきます。

浚渫工事とは

浚渫工事とは、船が安全に運航できるようにするために、海底や川底の土砂を取り除く工事のことを指します。
主に浚渫工事が行われるのは、港湾付近の航路上の海底や、川底です。
また、船が向きを変えるときに利用される泊地と呼ばれる場所でも、浚渫工事が行われます。

船が安全に運航するには一定の水深が必要となり、浅すぎる場所を通ることはできません。
浅すぎる場所を船が通ると、船底が水底に接触するおそれがあり大変危険です。
浚渫工事によって、海底や川底を整備しているからこそ、安全な運航は保たれています。

出典:国土交通省「業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方(H29.11.10改正)

浚渫工事の種類

浚渫工事

浚渫工事の方法は、大きく分けて「ポンプ浚渫」と「クラブ浚渫」の2種類があります。
ここでは、それぞれの浚渫工事の方法について紹介していきます。

ポンプ浚渫

ポンプ浚渫は、先端に給水管が付いているポンプ浚渫船を使用して行います。
給水管を水底に下ろして、土砂と水を吸い上げるという方法です。
ドリンクなどを飲むときに、ストローで吸い込むイメージと似ております。

給水管の先端部分にはカッターヘッドが付いており、土砂の塊なども細かく切り崩します。
ポンプ浚渫船の後ろの方には排砂管が付いており、給水管とつながっていて埋立地まで伸びています。
吸い込まれた土砂は、埋立地まで運び出されるという仕組みです。
土砂が固いと吸い込むのが難しいため、ポンプ浚渫での対応が難しい場合もあります。

グラブ浚渫

クラブ浚渫では、クラブバスケットという、土砂を掴み取るための装置を使用して行います。
使用する船は、クラブバスケットが付いているクラブ浚渫船と、土砂を積み込むための土運船の2船です。
クラブバスケットは、ワイヤーで上から吊るされており、それを海底に下ろして土砂を掴んで引き上げます。
そして、引き上げた土砂を土運船に積み込み、埋立地に運ぶという流れです。
狭い場所や固い土砂でも工事を行いやすいというのが特徴です。

浚渫工事は運航の安全を保つもの

浚渫工事が行われる目的や、工事種類と、具体的な流れについて紹介してきました。
浚渫工事は、海底や川底の土砂を取り除く工事のため、陸の工事に比べると普段の生活で目にすることは少ないかもしれません。

しかし、船の運航は惨事につながる可能性もあります。
浚渫工事の施工管理職として現場に行くときは、このことを念頭に置いて仕事に望みましょう。