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塗装工事とは!?工事の種類や流れを解説

塗装工事は、29種類に分けられる建設業の1つであり、専門工事にあたります。
日常生活に近い工事のため、イメージしやすい方も多いのではないでしょうか。

本記事では、塗装工事について工事の種類や流れについて解説していきます。

塗装工事とは

塗装工事とは、工作物に塗料や塗材などを塗ったり、吹き付けたりする工事のことをいいます。
例えば、住宅やビルなどの外壁塗装工事が代表的な例として挙げられます。
屋根の塗装も、よくある塗装工事の例の1つです。
建物の外壁や屋根などに塗装工事を行うことで、外観を美しくします。
また、紫外線や雨風などから守る役割も果たします。

出典:国土交通省「業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方(H29.11.10改正)

塗装工事を行うタイミング

塗装工事は建築時だけでなく、定期的に行う必要があります。

具体的な年数は使用する塗料の「耐用年数」によって違いがあります。
塗装における耐用年数(耐久年数)とは、塗料の保護効果が続く目安の期間ということを覚えておきましょう。
税務処理に関わる用語にも「耐用年数」という言葉がありますが、こちらは意味が異なるので混同しないように注意しましょう。
塗料にはシリコン塗料、フッ素塗料、無機塗料、ラジカル制御形塗料などがあり、それぞれグレードが異なります。
耐用年数は塗料内の成分の含有率によっても変化しますが、一般的にはシリコン塗料が10年前後で最も短く、無機塗料が15〜20年で比較的、持続期間が長いとされています。
いずれも10年程度で耐用年数が一区切りすることが多いため、戸建てについては「築10年で2回目の塗装」を推奨されるケースが多いです。
年数だけでなく、汚れやコケ、カビの発生状況や錆、木部の劣化などが見られる場合も塗装工事を行うべきタイミングといえるでしょう。

また、再度塗装工事を行う際は古い塗装を剥がす「ケレン」という作業や高圧洗浄などの作業の品質によって耐用年数が変化することも覚えておきましょう。

外壁塗装に適した季節とは

外壁塗装は空気がある程度、乾燥していて雨が降りやすい季節がベストとされています。
具体的には、気温は5度以上で湿度は85%以下が各塗料メーカーの推奨基準となることが多いです。
春夏秋冬いつでも条件を満たす日はあるので、塗装工事の時期は季節単位でこだわる必要はあまりないでしょう。

ただし、雨が降りやすい梅雨時期は施工できる日は少なくなる傾向があるほか、他の季節も塗装工事の品質に関わる注意点があるのでしっかりと理解しておいて、可能な範囲で早めに対応する必要があります。

季節 メリット デメリット
温湿度が安定している 梅雨時期はスケジュール通りに工事を進めにくい
塗料の乾きが早い 窓を開けられない
暑すぎると屋根に登れない
温湿度が安定している 台風による工事の遅延
秋雨前線による工事の遅延
最も乾燥しやすい 凍結・降雪のリスクが高い

塗装工事の種類

塗装工事

塗装工事は、大きく分けて次の3種類に大別できます。

手作業

手作業は、はけやローラーブラシ、へらなどを使用して塗料を塗る方法です。
はけ塗りは一見すると簡単に見えますが、職人の熟練度合いによって差が出ます。
ローラーブラシ塗装は、天井や壁面などの塗装でよく用いられ、広い面積を効率よく塗装できます。
へら塗りは、粘度の高い塗料を使用するときによく用いられます。

機器作業

機器作業は、エアスプレーやエアレススプレーなどの機器を使用する方法です。
エアレススプレーは、塗料を霧状にして塗ることができるスプレーのことで、複雑な形状の箇所でも均一に塗ることができ、圧縮空気を使用しているのが特徴です。
エアレススプレーは塗料を霧化させますが、塗料そのものに高圧力をかけて特殊なノズルから噴射します。
その他に、対象物を塗料の中に浸すことで塗る、浸漬塗装という方法もあります。

装置作業

装置作業は、静電塗装や電着塗装、粉体塗装などがあり、いずれも電気を使用する専用の装置を使って行う方法です。
装置が高価で、大掛かりになることが多いため、大量に塗装を行うような場合に用いられます。

塗装工事の工程と流れ

一般的に塗装工事は高圧洗浄、下地補修、下塗り、上塗りの4つの工程で行います。
それぞれの内容を確認してみましょう。
最初に高圧洗浄で汚れを取り除き、劣化した塗膜を剥がします。
高圧洗浄は、劣化した塗膜の除去のほか、カビや汚れなどをきれいにする目的もあります。汚れが残っていると、新しい塗膜の密着性が悪化する可能性が高まるうえ、仕上がりの外観にも影響するのでしっかりと行う必要があります。

塗装の塗り替えの場合は、ひび割れ(クラック)やシーリングの劣化などが見つかることも多いです。
そのため、下地補修も済ませておく必要があります。
一般的には、劣化したシーリング材の交換や錆落としなどを行うことが多いです。

高圧洗浄、下地補修は塗装の準備段階ではあるものの、施工不良のリスクを低減につながる重要な工程となります。その代表的な作業は以下のとおりです。

ケレン作業
サンドペーパーやヘラなどで、高圧洗浄で落ちなかった汚れ、旧塗膜、カビなどをそぎ落とす。

目荒らし
塗料が定着しにくい塩化ビニール素材やサンディングボードなどにも、塗料が密着するようにヤスリなどであえて傷をつける作業です。

ひび割れ補修
モルタル壁、コンクリート壁に発生したひび割れを「シール材」を使って埋める作業です。

外壁が良好な状態になったら、下塗りをしてから上塗りするという流れです。
下塗りは、上塗りの塗料が接着しやすくなるようにするために、専用の塗料を使用して行われます。
下塗りの塗料には、塗料のしみこみを抑える働きがある「シーラー」。錆止め塗料として金属下地の錆を抑止する「プライマー」。シーラーとプライマーの特徴を持つうえ、外壁のひび割れも埋められる「フィラー」の3種類を外壁の状態などに合わせて選ぶことが一般的です。

上塗りは、塗装工事の仕上げの工程です。下塗りした施工面に上塗り用の塗料を塗っていきます。
塗料によって必要な回数が異なりますが、2回行うのが一般的です。
無事に上塗りが終われば、塗装工事は完了します。

塗装工事は外観や耐久性を向上させる工事

塗装工事の種類や流れについて解説してきました。
塗装工事は、外観だけでなく、紫外線などから守る役割があります。
また、塗装工事はさまざまな場所で必要となるため、施工管理職として、塗装工事に携われる現場は数多くあります。
現場ごとに施工管理職として求められることは変わりますので、臨機応変に対応できるようにしましょう。

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