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さく井工事とは!?作業の流れや工法について解説

さく井とは「さくせい」と読みます。
さく井工事とは、29種類ある建設業の1種です。
さく井工事という名称からは、どのような工事をするのかを想像できない方もいるのではないでしょうか。
本記事では、さく井工事の概要や工法の種類、作業の流れなどをご紹介します。

さく井工事とは

さく井工事とは、機械などを用いて穴を空けて、井戸やその工事に伴う揚水設備の設置などを行う工事を指します。
主な工事の種類は、以下になります。

  • さく井工事
  • 観測井工事
  • 還元井工事
  • 温泉掘削工事
  • 井戸築造工事
  • さく孔工事 
  • 石油掘削工事
  • 天然ガス掘削工事
  • 揚水設備工事

さく井工事では、災害時に水道が使用できない時に水の確保ができます。
また、電気料金や水道料金の節約につながる工事です。
多くの水が必要な工場や施設では、水道だけを利用すると膨大な水道料金が発生します。

そこで登場するのが、地下水です。
地下水の利用を目的としたさく井工事と、1年間の水道料金と電気料金を比較した場合、さく井工事費用のほうが安価な場合が多くあります。
さく井工事によって出た地下水を利用することが、水道料金の節約につながるのです。

出典:国土交通省「業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方(H29.11.10改正)」

さく井工事の工法

さく井工事の工法

さく井工事では、主に以下3つの工法が用いられます。

ロータリー工法

機械にトリコンビットと呼ばれる刃先を取り付け回転させることで、地層を切削・破砕(はさい)しながら掘削します。
大深度の掘削に用いられることの多い工法で、硬い岩盤から未固結堆積層まで、幅広い地層に対応可能です。

パーカッション工法

掘削ビットをワイヤロープの先端に付け、ロープを上下させることで掘削する工法です。
昔から行われてきた工法で、比較的やわらかい地層に適しています。

エアーハンマー工法

圧縮空気を送り込むことで先端部の掘削ビットを動かし、打撃力によって掘削する工法です。
掘削と同時進行でケーシング(内枠)を打ち込めるため、工期が短く済み、安価で行えるというメリットがあります。
規模の小さい工事に適しています。

さく井工事の作業の流れ

さく井工事の作業の流れ

ここではさく井工事の一種である「井戸工事」の一般的な作業の流れについて紹介します。

1.仮設作業
掘削位置にさく井機械を仮設します。
場所によって敷き鉄板や防音壁なども追加で設置します。

2.掘削作業
目的の深度まで掘削します。

3.電気検層
地層の性質や層の厚さ、および帯水層の位置や浸透性の良否を知るための検査を行います。
この検査によりスクリーンの位置を決定します。
ただし、エアーハンマー工法では実施されません。

4.ケーシング挿入
ケーシングを挿入します。
挿入後、隙間に洗砂利を充填します。

5.仕上作業
ケーシング内の洗浄を行います。

6.揚水試験
井戸の能力や帯水層の特性を調査するための試験です。
実際に地下水をくみ上げて検査を行い、そのデータをもとにポンプの選定や揚水設備の設計などが行われます。

さく井工事は目的や場所により工法が使い分けられる

さく井工事は、工場や施設で大量の水が必要な場合や、住宅地で良質な地層がある場合に行われる工事です。
工事の目的や場所によって工法が使い分けられるため、それぞれの工法の特徴について、施工管理職として覚えておくとよいでしょう。