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仮設工事は2種類!「直接仮設工事」と「共通仮設工事」について解説

規模の大小に関わらず、工事の際には仮設工事が行われます。
仮設工事は大きく分けて「直接工事」と「共通仮設工事」に分けられます。
本記事では「直接仮設工事」と「共通仮設工事」の概要や違い、必要性などをご紹介します。

仮設工事とは

仮設工事とは、一時的に設置する施設や設備の事です。
工事期間中に作業がスムーズに進められるように設置され、工事が完了したら撤去されます。

仮設工事の内容

仮設工事と呼ばれるものには、以下の内容があります。

水盛り・遣り方
建物の位置や高さを出すための作業です。

仮設足場
建設する建物の周りに作業用の床や壁、階段を組む作業です。

仮設ネット
材料の転落防止等のために、足場の外側にネットを設ける作業です。

仮設トイレ
工事期間中に、作業員が使用するトイレの設置と維持作業です。

養生費
汚れやダメージから保護するためのシートや、ボードなどを設置する作業です。

美装工事
建物の引き渡しを行う前の、清掃作業の事です。

仮設電気
工事期間中に使用する電気を引き込む作業です。
現場によっては、発電機で対応する場合もあります。

仮設水道
工事期間中に使用する水道を引き込む作業です。
仮設の流し台や、排水管も設置します。

養生鉄板
現場の地面がやわらかく、車両の進入が困難な場合に鉄板を敷く作業です。

現場事務所
作業員の休憩所等となる事務所を、現場に設置する作業です。
また、近隣の賃貸物件を借りる場合もあります。

紹介してきた仮設工事は、「直接仮設工事」と「共通仮設工事」に分類できます。
この2つの仮説工事の概要や、違いについては次項で詳しくご紹介していきます。

直接仮設工事

直接仮設工事

直接仮設工事は、工事に直接関わる工事をいいます。
代表的なものが「仮設足場」です。
工程ごとに必要な足場や、ゴンドラなどを設置し、正確かつ安全に作業ができるようにします。
直接仮設工事で設置される仮設足場はすべて同じではなく、工事内容に応じて以下のような種類があります。

仮設足場1:枠組足場

鉄製の部材を組み立てて作られた足場です。
最もオーソドックスな足場とされており、工場で生産された部材を使うため安全性が高いのが特徴です。
また、軽量な部材のため組み立てや、解体作業が簡単に行えます。
ただし、部材自体が大きいため、比較的広い設置場所や部材を置く場所が必要です。

仮設足場2:クサビ式足場

凹凸がついたクサビを使い、部材同士を組み立てて作られた足場です。
低層から高層まで、さまざまな高さの建物の工事に対応可能です。
また、部材がユニット化されているので簡単に組み立て・解体ができます。
さらに、耐久性にも優れているのが特徴です。
ただし、設置場所に大きなスペースが必要なため、間隔が狭い場所での設置は難しいです。

仮設足場3:単管足場

単管をつなぎ合わせて組み立てる足場の事です。
鉄パイプをつなぐため、固定型の金具やジョイント、多筋かいなどの多くの部材を使用するため、組み立て・解体に時間がかかります。
しかし、その分組み立ての自由度が高いため、狭い場所でも設置可能です。
作業をパイプの上で行うため、十分な注意が必要です。

仮設足場4:移動昇降式足場

地上から建物に沿ったレールを設置し、そのレールに合わせて組む足場です。
工事の進捗に合わせて足場を上下させるので、他の足場のように全体を養生シートで覆わなくて済みます。
ただし、他の足場と比べてコストが高いです。

仮設足場5:吊り足場

吊り材で作業床を吊り下げて組み立てる足場を指します。
地面に足場を設置するのが難しい橋梁や、プラント工事などで利用されることが多いです。
上から吊り材を吊り下げるため、落下事故が起こらないように慎重に作業する必要があります。

仮設足場6:ゴンドラ足場

建物の屋上から吊り下げたゴンドラを昇降させる足場の事です。
ゴンドラを電動で昇降させて工事を行います。
養生する必要がないため、建物の居住者にストレスを与えることなく、景観を損ないません。
また、設置が簡単で工期が短いのが特徴です。
ただし、建物の形状によっては設置できないこともあります。
さらに、強風や大雨の時など悪天候の時な危険なので作業ができません。

共通仮設工事

共通仮設工事

共通仮設工事とは、工事を円滑に進めるために設置される設備の事です。
仮設足場以外で必要な仮設設備を指し、間接的に工事に必要な設備を指すことが多いです。
一般的に仮設設備には、以下のような種類があります。

  • 現場事務所
  • 作業員の休憩所
  • 作業員用の仮設トイレ
  • 工事用の資材置き場
  • 掲示板
  • 産業廃棄物の集積場
  • 工事用の水道/電気の引き込み
  • 各所養生
  • 安全/防犯対策(防犯カメラやセンサーの設置等)

仮設工事は原則どんな工事現場でも行われる

仮設工事は原則どんな工事でも行われ、「直接仮設工事」と「共通仮設工事」の2種類があります。
どちらも迅速で安全な工事を行うためには、欠かせないものです。
施工管理職を目指す方は、直接仮設工事と共通仮設工事の違いについて理解しておきましょう。