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ガウジング工法について知ろう!施工のポイントは?

ガウジング工法は、溶接の欠陥部をカバーするために行う工法ですが、詳細が分からない方も多いのではないでしょうか。
危険を伴う作業のため、概要や注意点などについても知っておく必要があります。
本記事では、ガウジングの概要や工法の種類、施工の際のポイントなどをご紹介します。

ガウジングとは

ガウジングとは、溶接の欠陥部を除去するため金属板に深い溝を付けることをいいます。
突き合わせ溶接を行う際にも行われることがあります。
ガウジングの「gouge」とは「丸のみ」を意味する単語で、もともとは「丸のみで彫る」という意味で使われていました。
現在では、金属板を削る「はつり」と同じ意味で用いられることもあります。

ガウジングの方法は2種類

ガウジングの工法は、主に以下の2種類に分けられます。

エアカーボンアークガウジング法

エアカーボンアークガウジング法は、カーボンと母材の間にアークを発生させることで溶融させる方法です。
金属を溶融させると同時にカーボンに沿って空気噴流が行われるので、溶融した金属が除去されるのが特徴です。
従来のチッピング法やガウスフレーム法に比べて作業効率が良いとされています。
さらに母材への影響も少ないというメリットがあります。

プラズマアークガウジング法

プラズマアークガウジング法は、プラズマアーク方式を使用した工法です。
プラズマアークは高密度・高温・高運動のエネルギーのため、変形が少なく多種多様な金属のガウジングが可能とされています。
さらにプラズマアークガウジング法では作業の自動化ができます。
エアカーボンアークガウジング法ではどうしても騒音や火花、粉塵が多量に発生してしまいますが、プラズマアークガウジング法ではそのデメリットがありません。
そのため、近年では適用されることが多い工法です。

ガウジングを実施するときの施工ポイント

ガウジング

ガウジングを実施するときには周りの安全はもちろん、いくつか確認したいことや注意点があります。
ここでは、確認しておきたい施工ポイントをご紹介します。

施工ポイント1:施工速度

ガウジングを行う際には速度を確認しましょう。
速度が速いほど溝が小さく、遅いほど大きくなります。
速すぎると溝が乱れてしまうため、速度は1.0m/minが基本とされています。

施工ポイント2:電流

電流の大きさも確認しましょう。
電流が小さいほど溝が小さく、大きいほど大きくなります。
横向き姿勢でガウジングを行う場合、電流は250Aが基本とされています。

施行ポイント3:トーチの高さ

トーチは高いほど溝が浅く、低いほど深くなるとされています。
高くし過ぎると粉塵が多くなり、アークが不安定になる場合があります。
横向き姿勢でガウジングを行う場合、トーチの高さは15㎜が基本とされています。

ガウジング工法の特徴や注意点を覚えておこう

ガウジング工法は金属板に溝を付ける作業のことで、溶接欠陥部を除去したり、突き合わせ溶接を行ったりする際に使われます。
ガウジングを行う際には、速度や電流、トーチの高さなどに注意しながら安全に行う必要があるため、特徴や確認ポイントを覚えておくようにしましょう。