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バスダクトとはどのような工事?工事の種類や施工方法を解説

バスダクトは、大きな工事に使われることが多いです。
施設内で安全に電気を使う上で、欠かせないものといえます。
電気工事の一種でもありますが、どのような工事なのでしょうか。

本記事では、電力用幹線部材「バスダクト」の概要、工事の種類、メリット・デメリットなどをご紹介します。

バスダクト工事とは

バスダクト工事とは、電力幹線用部材の一種であるバスダクトの中に板状導体を通し、機械などに送電する工事方法を指します。
バスダクトは、大きな電流を必要とする変圧器の二次側の主幹線にも利用されるため、工場内の電力幹線などに使用されます。
さらに、電力や通信インフラを基盤とするインテリジェント・ビルディングなどでも使用されることがあります。

通常、電気を利用する際にはケーブルを使って分岐し、設備に接続します。
しかし大きな電気を使用する際にはケーブルが太くなりすぎてしまうため、バスダクトの出番となるのです。
バスダクトで一括送電すれば、大量の送電が不要になります。

バスダクト工事の種類

バスダクト工事

バスダクト工事は、大きく分けて以下の3種類に分けられます。

フィーダバスダクト

フィーダバスダクトとは、プラグの受口を持たないタイプです。
約3メートルの長さで、接続部にボトルナット、導体は電流が伝わらない絶縁で覆われています。
そのため、触れても感電する危険性が少なく安全性に優れているのが特徴です。

プラグインバスダクト

プラグインバスダクトは、バスダクトから分岐できるようにプラグの受口があるタイプです。
プラグによって分岐できるので、移設や増設の際に用いられます。

トロリーバスダクト

バスダクトの下部を開放して、トロリーを走行できるようにしたタイプです。
移動しながら電力を供給する際に用いられることが多いです。

バスダクト工事のメリット

バスダクト工事には、以下のような多くのメリットがあります。

大電流を流す場合に適している

バスダクト工事は導体を絶縁で固定できるため、大電流にも適しているとされています。
小型タイプで200A、大型タイプで4,000〜6,000Aまで流すことが可能です。
大電流に対応しているので、変圧器の二次側でも用いられます。

電圧降下を抑えられる

バスダクト工事は、電圧降下を小さく抑えられるとしています。
電圧降下とは回路や装置に電圧をかけた場合、ケーブルの末端になるにつれて電圧が下がる現象です。
バスダクトはケーブルよりも太く、導体相互距離が小さくなっています。
そのため、コイルなどの交流時に電流位相を変更するための抵抗部である「リアクタンス」が小さくなるため、電圧降下を抑えられるとされています。

工事期間が短縮できる

バスダクト工事は建築工程に合わせ、下層階から組み立てられます。
通常のケーブルの場合、建物の上棟後に配線が確保されないと工事が行えません。
しかし、バスダクト工事は上棟を待つことなく敷設を進められるので、工期が短縮できる可能性が高くなります。

バスダクト工事の注意点

バスダクト工事には、注意点もあります。

配管の配置

天井にはさまざまな設備があるため、配管の配置について気をつける必要があります。
たとえば、バスダクトを施工しようとしていた場所に他の設備の配管が必要であれば、施工することはできません。
そのため、どの高さにどの設備が使用されるのか、配管はどうなっているのかを各業者で事前に検討する必要があります。

室内環境

バスダクトはとても繊細な部品とされているため、室内環境に留意する必要があります。
大きな振動があるなどの悪い影響がある場所だと、適切に動かない可能性が考えられます。
具体的には、以下の点に注意しましょう。

  • 温度が高すぎず適切であるか
  • 大きな振動がないか
  • 有害なガスは出ていないか

関連法規をチェックしよう

バスダクトは、電気設備技術基準などによって以下が定められています。

  • バスダクト同士は堅牢で電気的に完全に接続する
  • 造営部に取り付ける際には支持点間隔を3m以下にする
  • 端部は閉塞する

このような関連法規なども、事前にチェックしておきましょう。

バスダクト工事を施工できる場所

バスダクト工事

バスダクト工事を行ってもよい施設は、「展開した場所」と「点検できる隠ぺい場所」とされています。

展開した場所

露出した天井や壁面を指します。
乾燥している場所なら300Vを越えていても施工が可能ですが、湿気や水気がある場合は300V以下の制限があります。

点検できる隠ぺい場所

点検できる隠ぺい場所とは、隠ぺいはされていても点検口が設定されている場所のことです。
天井裏や床下などを指します。
乾燥している場所なら300Vを越えていても施工できますが、湿気や水気がある場所では施工できません。

バスダクト工事の概要を理解しておこう

バスダクト工事は、大電流を使う場合に適しているため工場や病院などで用いられることが多いです。
需要も多いですが注意点もあるので、メリットと一緒に理解しておきましょう。