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フロアダクト工事とは!?使用する電線や施工方法

フロアダクト工事は、その名の通りフロアダクトを使用する工事です。
フロアダクト工事は電気工事の中でも代表的な配線工事とされています。
配線工事は、建物の電気の供給を支える重要な工事に位置付けられています。

本記事では、フロアダクト工事の概要や使用する電線、施工方法などをご紹介します。

フロアダクト工事とは

フロアダクト工事とは、電線をフロアダクトに入れて床の中に埋め込む工事のことです。
床下線工事とも呼ばれており、主にオフィスビルなどで採用されています。
床上への電源供給を行うために行い、使用電圧は300V以下の乾燥したコンクリートの床限定とされています。

また電線のほか、電話線やLANケーブルも同時に埋め込むことも多いです。
配線をまとめて床下に埋め込むことで、安全な作業環境を生み出したり、オフィス内の景観を良くしたりなどの効果が期待できます。

フロアダクト工事に使用する電線

フロアダクト工事には、屋外用ビニル絶縁電線(OW線)を除いた絶縁電線が用いられます。
直径3.2㎜以下の単線か撚り線が使われます。
単線は、心線が1本の導体でできたもので、撚り線とは心線が複数本の素線でできた電線です。
さらに、低圧屋内配線工事を行う際に電線管に収める電線の太さが異なる場合は「絶縁被覆を含む断面積の総和は、ダクトの内断面積の32%以下にする」と規定されています。

接続方法

フロアダクト工事では基本的にジャンクションボックス内で電線を接続します。
ジャンクションボックスとは、電線同士の結合・分岐・中継などに使用される端子の保護管のことです。
ただし、電線を分岐する際に接続点を容易に点検できるケースは、フロアダクト内で電線を接続してもOKとされています。
また、フロアダクトはD種接地工事で設置を行います。

フロアダクト工事の施工方法

フロアダクト工事

フロアダクト工事を行う際には、フロアダクト同士や、フロアダクトとジャンクションボックスを安全に接続する必要があります。
フロアダクト同士の接続はダクトカップリングを用います。
ダクトの結合や中継はジャンクションボックス内で行いましょう。

また、フロアダクトの終端部は閉そくする決まりがあります。
フロアダクト工事には電線引き出し口であるインサートが設けられています。
電源を取り出す際にはアウトレットボックスを接続し、使わない場合はインサートマーカーを使って蓋をしておきます。

その他の配線工事

配線工事は、フロアダクト工事のほかに以下の種類があります。

セルラダクト工事

セルラダクト工事は、床構造材として使われるデッキプレートの溝に配線する工事です。
セルラダクトは単独では用いず、フロアダクトや金属管と併用されます。
フロアダクト工事と使用する電線は同じですが、収容本数は「ダクト内の断面積の20%以下」に、電線の絶縁被覆を含んだ断面積の総和までに抑えます。
ビルなどの大型構造物で採用されることが多く、電気設備の増設や付加位置の変更などが容易に行える点がメリットとされています。

バスダクト工事

バスダクト工事は、配線に金属製のバスダクトを用いる工事です。
バスダクトは導体に銅やアルミを使用しており、耐火性や電磁波の発生が少ないなど、電気や機械的な特性が優れているとされています。
ケーブルがむき出しにならず、系統管理も容易というメリットがあります。
工事費用は他の種類と比較すると高めになりますが、安全面や施工性の向上などの効果が期待できます。
比較的大電流の幹線に使用されます。

アンダーカーペット工事

アンダーカーペット工事は、タイルカーペットやタイルの下に配線する工事のことです。
主にオフィスやショールームなどで採用されています。
床の凸凹を抑えるために、テープ状の薄型電線を使用するのが特徴です。
電気配線のほか、LANケーブルなどの配線も同時に行うことが多いです。

さらに店舗のディスプレイ照明の電源、来客用のデバイスの充電用電源などに利用されることもあります。
追加のニーズがあった場合も短時間の工事で対応することが可能で、景観や動きを損ねません。

フリーアクセスフロア工事

フリーアクセスフロア工事は、二重構造にした床にできた空間内に配線を通し、引き出し口を固定しない工事のことです。
主にオフィスで採用される工事で、レイアウト変更や機器の増設がしやすい点がメリットです。

また配線へのアクセスが容易に行えます。
電気配線のほか、LANケーブルの配線を行うケースも多いです。
床パネルには、アルミや合成樹脂、充填または中空のスチールなどが用いられます。

フロアダクト工事の決まりごとについて知っておこう

フロアダクト工事は、主にオフィスなどで用いられる電気配線工事です。
床下に配線を埋め込めば配線が露出しないため、安全な作業環境を確保できます。
また見た目にもきれいなため、多くの場所で採用されています。
フロアダクト工事は使用する電線や施工場所に規定があるため、工事をする際にはしっかりチェックしておきましょう。