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設計変更に関わる書類とは!?工事打合せ簿について知っておこう

設計変更を行う際には、変更に関する書類を提出する必要があります。
「どこに」「どのような書類」を提出するのか把握しておくことが重要です。
本記事では、設計変更時の重要書類についてご紹介します。

設計変更とは

設計変更は以下の際に可能とされています。

  • 任意仮設を含む仮設時に、条件の有無に関わらず当初発注時点で予期することが困難だった土質条件や地下水位等が現地で確認された場合(所定の手続きが必要)
  • 当初発注時点で想定している工事着手時期に、受注者の責任によらず工事の着手ができない場合
  • 所定の手続きを行い、発注者が「指示」をしたもの
  • 受注者が行うべき「設計図書の照査」の範囲を超える作業を行う場合

出典:関東地方整備局「設計変更ガイドライン

設計変更に関わる書類:工事打合せ簿

設計変更に関わる書類の一つが「工事打合せ簿」です。
工事打合せ簿とは、お金に関わる重要な書類です。
受注者と発注者が互いに施工状況を確認し、お互いに認識のズレが起きないようにする書類です。
発注者または受注者から発議があった事項を記載し、相手方が書類で「処理・回答」を行います。

やり取りで発生する処理や回答は、受理のみで完了するケースがあります。
ただし「内容の意味が理解できない」「判断材料が少ない」などの問題が発生すると、処理や回答が遅れる場合も考えられます。
処理・回答が遅れると、現場の進行に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、分かりやすく簡潔に書くことが求められます。

設計変更の事例

設計変更の事例には以下のようなものが挙げられます。

岸壁の地上地盤改良を行う工事

  • 事前の土質調査の結果、設計にはない障害物として地表面から5m程度の場所に、人の頭大の礫および鉱滓などが発見された
  • サンドコンパクション施工の障害となるため、障害物の撤去とその撤去部の埋め戻し費用について追加変更を行った

防波堤のケーソン据付を行う工事

  • 大部分が完成していたが、台風の影響で防波堤の安定について支障が生じた
  • 補強工事が必要となったが、海苔養殖時期と重なり、工事が実施できないため、工事の一時中止を行った

防波堤の基礎マウンド築造のための基礎捨石の投入と捨石均しを行う工事

  • 低気圧が断続的に来襲したため、海上作業が大幅に遅延した
  • 施行施工パーティー数の追加等の対策を行っても工期内の完成が見込めないことから、工期の延伸を行った

出典:国土交通省「設計変更の考え方

その他のお金に関わる重要書類

施工管理職

工事打合せ簿の他にも、お金に関わる重要書類は複数あります。
ここでは、「照査に関わる書類」と「数量計算書」についてご紹介します。

照査に関わる書類

照査に関わる書類とは、現地や図面などをチェックし、それに相違がないかを調査して出す資料のことを指します。
照査に関わる書類は着工前に作成しますが、工事の途中で作成するケースもあります。
たとえば、工事中に大きな岩が出てきた場合、それをどう処理するか考えなくてはいけません。
処理するためのお金はどうするのか、工期はどのくらい変更になるのかなどを記載する必要があります。

数量計算書

数量計算書とは、設計図を基に材料などの数量を記載した書類です。
土木の場合は掘削や埋戻しの量などです。
こちらも工事の途中で変更があった場合は修正する必要があります。
たとえば「道路をあと10mほど延伸して欲しい」という依頼があったとします。
その場合、延長した場合の工種ごとの数量を出す必要があります。
工種ごとに扱う資材が異なるため、単位が異なるので注意が必要です。

設計変更に関わる書類を覚えておこう

工事は自然を相手にすることも多いため、どうしても不測の事態が発生してしまうケースもあります。
その場合、設計変更が生じることもあるため、それに応じた変更書類を提出する必要があります。
いずれもお金に関する重要な書類ですので覚えておくことをおすすめします。