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がいし引き工事の施工方法。ポイントや注意点を解説

がいし引き工事について、特徴をイメージすることができるでしょうか。
がいし工事は電気工事の一種で、漢字では「碍子」と表記されます。

本記事では、電気施工管理職が知っておきたい「がいし引き工事」の特徴や施工方法などをご紹介します。

がいし引き工事とは

がいし引き工事とは、電線とがいしを用いて機械や器具に送電する工事方法を指します。
がいしとは、電線を電柱などや外壁などの造営材と絶縁するために使用される磁気製の支持物を指します。
主に昭和30年代後半まで用いられていた配線方式です。
この時代には電線が布で覆われていたため、がいしを絶縁体として使用していました。
がいしを使用することで、電線と壁などを密着させないようにするのです。

現在では主に、レトロ調の意匠に取り入れられています。
ただし、現在ではがいし引き工事ができる職人が減っており、見た目だけの施工も多くなっています。

がいし引き工事が可能な場所

がいし引き工事が可能な場所には以下が挙げられます。

  • 展開した場所:乾燥している場所と湿気・水気がある場所で可能です。
  • 点検ができる隠ぺい場所:乾燥している場所と湿気・水気がある場所で可能です。
  • 点検ができない隠ぺい場所:乾燥している場所も湿気・水気がある場所でも不可能です。

がいし引き工事の施工方法

ここでは、がいし引き工事の施工方法をご紹介します。

施工方法①:接触防護措置

使用電圧が300Vの際に必要な措置です。
接触防護措置は、屋内は床上2.3m以上・屋外は地表2.5m以上で
人が手を触れられない場所に設置します。
塀や柵もしくは電線を金属管に入れる措置などを行います。

施工方法②:支持点間距離

がいし引き工事は、支持点間距離を2m以下にします。
この規定は、300V以下の電線を、造営材の側面や上面に沿うように取り付けます。
電圧が300V以上になる場合は、6m以下の規定とします。
支持点間距離は、がいしの中央から隣のがいし中央までの距離を指します。

施工方法③:電線相互の離隔距離

がいし引き工事では、電線相互の離隔距離を6m以上にします。
管灯回路や他の低圧屋内配線と接近もしくは交差する場合は、電線と10m以上の距離を確保します。
低圧屋内配線に裸電線などを使用する場合は、30㎝以上必要とされています。

施工方法④:電線・造営材の離隔距離

がいし引き工事では、電線や造影剤との離隔距離は2.5cm以上にします。
300Vを超える場合は、4.5㎝以上を確保する必要があります。
ただし、乾燥した場所に取り付ける際には、300V以上でも2.5㎝以上で問題ないとされています。
また低圧配線やガス管、弱電流電線などと接近する場合や交差する場合、
10㎝以上、裸電線などを使用する際には30㎝以上が必要とされています。

がいし引き工事時の注意点

配線の写真

がいし引き工事は、配線が見える工事のため、使用電圧に関係なく防護措置を行う必要があります。
鉄塔や電柱の電力用や電信用として使用されることもありますが、
人が簡単に触れられないような措置を取る必要があります。

また、高圧屋内配線でも利用されます。
その場合、支持点間距離や離隔距離は低圧と規定が異なるため注意が必要です。
また、電線や電線が造影剤を貫通する際も、高圧がい菅の使用も規定されているので必ず確認しましょう。

がいし引き工事について理解しよう

がいし引き工事は、電気の施工方法の一つです。
昭和時代に使われていた方法で、現在ではあまり使用されていません。
がいし引き工事を行う場所は限られていますが、配線の美しさを求めるのであれば適している方法です。