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建築現場の測量はどのように行う?使用する器具と併せて紹介

建築を行ううえで、測量はあらゆる場面で必要になってきます。
そのため、建築と測量は切っても切り離せないものといえるでしょう。

本記事では、基本的な測量の種類を解説するとともに、それぞれがどのように実施されるのか、
また測量に必要な道具も合わせて紹介していきます。
測量に関して深い知識を持っていない方でも理解できる内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。

基本的な測量の種類

測量とは、専門的な機材を用いて土地の高さや形状を測定する技術や作業を指します。
どれだけ優れた建材や建築士を用意できたとしても、建物を建築する際には
その土地について正確に把握する必要があるのです。

基本的な測量として、以下の種類が挙げられます。

  • 平板測量
  • 三角測量
  • トラバース測量
  • 水準測量

建築物の種類や建築する土地の種類、工事の目的などを考慮した上で、
それぞれ適切な種類の測量が行われます。

測量の種類①:平板測量

平板測量とは、三脚や平板、アリゲード(測量に用いられる専門的な定規)などを現地で用いて、
図面上に地形情報を書き起こしていく測量法です。
必要な器具を用意するのも、実際に測量を行うのも比較的容易とされています。

そのため、一般的な建築物の敷地における測量をはじめ、簡単で小規模な測量では平板測量が実施されます。
写真測量が行われる前は、地形図も平板測量にて書き起こされたといわれています。

測量の種類②:三角測量

三角測量とは互いに見通せる3つの地点を選んで三角形を作り、
その1辺の長さと角度を測定することで、残りの2辺の長さ、頂点の位置を求める測量法です。
三角形を複数連結させれば、より効率的かつ広範囲の測量も行えるのも特徴となります。

また、古くから行われている古典的な測量法でありながら、
精度良く土地を測定できることもメリットとして挙げられます。

測量の種類③:トラバース測量

トラバース測量では、まず基準となる一点を指定した後、別の測点を定め、
基準点と線を引くことで折れ線をつくります。
そして、各辺の長さと頂点の角度を求めて、各点の位置を測定します。

測量方法の発想は三角測量と同じであり、トラバース測量の場合
「初めから見通せる3つの点を用意しなくて良い」というメリットがあります。
そのため、市街地や森林など、視界が開けていなくとも測量できるのが特徴です。
また、最初の基準となる点は国が指定した国家基準点を用いることが一般的であり、
各地域にある三角点が使用されます。

測量の種類④:水準測量

水準測量とは、地上にある各点の高さを求める測量法です。
ここまで紹介してきた3つの測量とは異なり、高さのみを測量するのが特徴です。
水準測量には測量方法によって2つの種類に分類されます。

2つの地点に標尺を垂直に立てた後、それぞれを水平に観測することで目盛りの差を求め、
2点の高さの差を求めるのが直接水準測量です。
一方で、指定した2点における高度角を測った後、2点間の長さを測り
最後に三角法によって高さの差を求めるのが三角法水準測量となります。

直接水準測量の方が精度が高い反面、時間と労力がかかるため、
測量する場所やスケジュールによって三角法水準測量と使い分けられます。

建設現場で使用する測量器具

測量器具

測量には複数の種類があり、測量する場所や求められる精度によって、採用される測量方法は異なります。
また、測量業務を行う上で、作業員の専門的な知識だけでなく、専門的な測量器具も欠かせません。

以下は、測量器具の一部と測量方法です。

  • アリダード:平板測量にて用いられる測量器具。水平器と定規が備えられており、目標地点までの方向や距離、高低差を測定できる。
  • 求心器:平板測量にて用いられる測量器具。平板上の点と、地表の基準となる測点を一致させるために用いられる。
  • セオドライト:三角測量やトラバース測量で用いられる測量器具。基準点と目標点における、方向角と高度角を測定できる。

  • 標尺:水準測定で用いられる測量器具。基準点と測量点にて、それぞれ垂直に立て、高さの差を計測する目的で用いられる。

建築現場では測量が極めて重要

人間が利用する建築物を建てる上で、測量は極めて重要です。
もし、的確かつ十分な測量が行われていなければ、建物の耐久性や耐震性に影響を及ぼし、
利用者が危険にさらされます。
そのため、建築現場にて従事する作業員は、精度の高い測量を実施する必要があるのです。
それぞれの測量方法と必要な道具を認識し、現場に役立てましょう。