空調設備施工管理とは、エアコンなどの空調設備の工事をする際の工事計画の策定・人件費や材料の予算管理・設備の品質管理・現場の安全管理をする仕事です。
空調は建物内にいる人々が快適に過ごすためには欠かせない設備です。
そのため、重要視される設備の一つであり、施工管理職として資格を所持していればさらに活躍できる可能性があります。
本記事では空調設備施工管理とはどんな仕事か、どんな資格があれば役立つのか。などをご紹介します。
空調設備は4つの種類がある
一般的に空調設備には以下の4つの種類があるとされています。
熱源設備
熱源設備はその名の通り、熱源を作るための設備です。
ボイラー、冷凍機、ヒートポンプ、吸収冷温水機などが該当します。
空調機設備
空調機設備は、温度や湿度を調整し、快適な空気を作るための設備です。
加湿器、除湿器、冷却・加熱コイルなどが該当します。
熱搬送設備
熱搬送設備は、熱源設備で作られた熱源を室内や空調設備に送るものです。
ポンプ、配管、ダクトなどが該当します。
自動制御設備
自動制御設備は、空調の環境を目標値にするため、熱源設備、空調機設備、熱搬送設備を自動制御するものを指します。
空調設備施工管理の仕事内容
空調設備施工管理の仕事内容は、空調設備工事に関する全体的な管理を行います。
具体的には、以下のような幅広い管理を行います。
- 工事計画の策定
- 予算の管理
- 工事現場で安全な作業をするための管理
- 空調が問題なく使えるかの確認
空調とは空気調和の略語でありイメージとしては温度調節するだけと思われていますが、温度調節の他にも湿度や空気清浄などをコントロールする事が出来るため、商業施設や地下道、オフィスビルなどで扱われています。
空調設備施工管理の仕事に役立つ資格
空調設備施工管理は資格がなくても行えます。
しかし、資格があれば更なるキャリアアップなどに繋がる可能性があります。
空調設備施工管理職と関係の深い資格に「管工事施工管理技士」と「電気工事士」があります。
ここでは、空調設備施工管理の仕事に役立つ代表的な2つの資格をご紹介します。
管工事施工管理技士
管工事施工管理技士は国家資格です。
配管やダクト工事、冷暖房設備などの専門的な工事の知識や経験があることを証明できます。
空調設備工事を行うにあたり管工事はなくてはならない仕事のため、空調設備施工管理職を目指す上では所持しておくべき資格と言えます。
試験は1級と2級に分かれます。
１級管工事施工管理技士の資格を取得すると、特定建設業の専任の技術者及び監理技術者として認められます。
また、2級管工事施工管理技士の資格であれば、一般建設業の専任技術者及び主任技術者として認められます。
試験内容
試験は1級と2級ともに学科試験と実地試験があります。
学科試験
学科試験はすべてマークシート方式による出題となります。
出題科目は1級・2級でほぼ変わらないですが、2級は1級よりも問題数が少なくなります。
以下は、必須科目と選択科目です。
一般基礎➭環境工学、液体工学、熱工学など
電気・建築➭電気動力一般、建築一般
施工管理➭施工計画、工程管理、品質管理、安全管理
発電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路の設計・運用
空気設備・衛生➭空気調和、上下水道など
関連法規➭建築基準法、労働基準法、労働安全衛生法など
実地試験
実地試験はすべて記述式による出題となります。
出題科目は学科試験同様に、1級・2級とほぼ変わらず問題の難易度が変わります。
唯一明確に変わる点は、工程管理となります。
2級はバーチャート作成、1級はネットワーク工程が出題されます。
受験するには実務経験が必要になります。
電気工事士
電気工事士は、電気系統の工事をする際に必要な資格で、一種と二種があります。
第一種
第二種の範囲と最大電力500キロワット未満の工場やビルなどの工事に従事可能
第二種
一般住宅や店舗など、600ボルト以下の受電する設備の工事に従事可能
試験は筆記試験と技能試験による2段階で行われます。
一般問題、配線図の記号などを四肢択一方式によりマークシートで解答する。
持参した作業工具で、与えられた問題を一定期間内に完成させる。
出典：一般財団法人/全国建設研修センター「1級管工事施工管理技術検定試験」
出典：一般財団法人/全国建設研修センター「２級管工事施工管理技術検定試験」
出典：一般財団法人/電気技術者試験センター「電気工事士って何だろう？」
出典：一般財団法人/電気技術者試験センター「第二種電気工事試験受験案内」
出典：一般財団法人/電気技術者試験センター「第一種電気工事試験受験案内」
空調施工管理の資格保持は空調工事のスペシャリストの証
空調設備は毎日使用される設備のため、しっかりとした施工と管理が欠かせません。
確認を怠ると、不具合が生じ、室内の環境に問題が生じる可能性があります。
室内が異常に暑くなったり、寒くなったりすると、場合によっては命に関わります。
このため空調設備施工管理職はとても重要な仕事といえます。
管工事施工管理技士や電気工事士は、空調設備施工管理職に役立つ資格とされているので、ぜひ取得を検討してみてはいかがでしょうか。
