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電灯コンセント設備の解説②。スイッチ・天井配線・非常用照明・誘導灯配線

電灯コンセント設備に欠かせないのが、スイッチ、天井配線、非常用照明です。
こうした設備はさまざまな種類があり、現場に適したものを施工しなくてはいけません。
本記事では、電灯コンセントの「スイッチの種類と設計」「天井配線の方法と表現方法」「非常用照明と誘導灯配線の設計」についてご紹介します。

スイッチの特徴

スイッチは「点滅器」が正式な用語ですが、ここではスイッチで統一します。
スイッチには以下のような種類があります。

片切りスイッチ

最も多く用いられているスイッチで、表示ランプやタイマーが付いています。

両切りスイッチ

屋外用の回路で、表示ランプやタイマーが付いています。

3路スイッチ

ある電灯を2ヵ所のスイッチで点滅させたい時に用いられます。
1階または2階のスイッチどちらからでも電灯の点滅ができるのが特徴です。

4路スイッチ

ある電灯を3ヵ所のスイッチのどれでも点滅できるスイッチです。
4路スイッチと3路スイッチを併用することも可能です。
4ヵ所で点滅させたい場合は、左側と右側で対称になるように増設します。

リモコンスイッチ

多くの照明を遠隔操作できるスイッチです。
多くの電灯を同時に点滅させたい場合に使われます。
プログラム調光もあります。

人感センサー

人感センサーや照明センサー、赤外線感知器系などがあります。

取り付け位置の注意点

スイッチの適切な取り付け位置は、その部屋の用途で決定します。

内側
普段人がいる部屋で、在室している人が必要に応じて点滅させます。
事務室、応接室、会議室、管理人室などが挙げられます。

外側
普段人がいない部屋です。
入っていく時に点灯し、出る時に消灯します。
トイレ、倉庫、ロッカー室、浴室などが挙げられます。

扉付近に取り付ける場合は、扉の開き方に注意し、扉の陰に隠れないようにします。
親子扉の場合は、子扉側に取り付けます。

天井配線の特徴

ここでは、天井配線の方法と特徴についてご紹介します。

天井直付形の配線

1.二重天井に取り付ける場合
ケーブルは天井裏に配線します。
「ころがし配線」と呼ばれており、ケーブルの固定には吊りボルトやビニールバンド等を使います。

2.コンクリートの仕上げ面に直接取り付ける場合
照明器具はコンクリート面から落下しないように固定します。

照明器具以外の天井配線

スピーカー、火災報知器など、照明器具を取り付ける場合は天井直付形の配線に準じて行います。

非常用照明配線の特徴

ここでは、非常用照明配線の方法と特徴についてご紹介します。

非常用照明の配線

1.停電時の予備電源
建築基準法による非常用照明の予備電源は、建物の規模によって決定します。

  • 延べ面積10,000㎡以上

30分以上供給する場合は据置型蓄電池、10分間供給する場合は、据置型蓄電池を耐火配線で発電機につなぎ、さらに非常用照明器具に供給します。

2.非常用照明器具への配線
予備電源(ニッケル水素蓄電池)内蔵のものは、以下のように配線します。

  • 常時使用する器具かつ停電時にも使用する器具(兼用型)

3線式配線にし、2本は常用、1本は充電用にします。

  • 停電時のみ点灯する器具(専用型)

2線式配線にします。

非常用照明器具の配置と選定

1.一般照明と兼用器具の場合
停電時には内蔵電池により、通常点灯するランプと別のLEDランプを点灯させます。
また、通常点灯するランプを光束を減らして点灯させます。
この場合、照明器具の径所による光束の配光が異なるため、一律にはなりません。
各メーカーのカタログに配光局線および照度範囲表が掲載されているので、それを用いましょう。

2.非常用照明専用器具の場合
一般的な電球は円形の配光となっています。
また、LEDランプの場合は2lx以上確保できるようにします。

誘導灯配線の特徴

誘導灯

ここでは、誘導灯配線の方法や特徴についてご紹介します。

避難口誘導灯・室内通話誘導灯

室内から室外に避難する際に用いる誘導標識灯です。
室内の出入り口の上部に設置し、緑地に白文字やイラストなどで出口であることを表示します。
デパートなど遠くから見える必要がある場合は、灯具を天井から吊り下げましょう。

廊下通路誘導灯

廊下に出てきた人に避難口の方向を知らせる誘導標識灯です。
床上1.0m以下の場所に設置し、灯具の相互間隔は最大20m以下にします。

階段通路誘導灯

階段室に設置します。
建築基準法の非常用照明器具と兼用するものもあります。

客席誘導灯

劇場、公会堂、映画館など客席の足元に設置するものです。
0.2lx以上の照度を得られるようにします。

電灯コンセント設備を理解しよう

電灯コンセント設備は種類が多く、なかなか覚えにくいものもあります。
また、配線にも種類があるため、その場所に適したものを覚えなくてはいけません。
基本的な設置方法を覚えてしまえば、スペックなどはカタログに掲載されていますので、比較的簡単に設置できます。
基本的な修理や配線方法などを覚えておきましょう。