造園作業において欠かせないのがロープです。
ロープには結び方が何種類もあり、用途で使い分けられています。
本記事では、造園作業で使用するロープの種類や結び方についてご紹介します。
基本的なロープワーク(結び方)
ここでは、基本的なロープワーク(結び方)についてご紹介します。
本結び
本結びは、太さが同じロープを使います。
太さが異なる場合は、結び目が緩んでしまうので気を付けましょう。
より結び
より結びは、結びやすく解きやすいのが特徴です。
ロープの端に力が加わっている限り、比較的安全とされています。
樹木の吊り上げや一時的作業で用いられます。
- ロープの端を竹の裏に通し、表に出す
- 竹を通り越してロープの上から下に入れる
- 右の輪の中に端を入れる
- 強く締めて完成
元の輪にロープの先端を返して差し込むと、解きやすくなります。
男結び
男結びは、シュロ縄などの最後の結束などにも用いられます。
しっかりと強固に結べるのが特徴です。
- 十字にした竹に、×を描くようにロープを結ぶ
- ロープを巻くようにして輪を作り、一周したら揃える
- 揃えたロープを巻く
- 巻いて戻して輪に差し込む
- 輪の左側を上に折り曲げる
- 折り曲げたところを抑えながら長いロープを引いて完成
巻き付ける時、首元をしっかりと巻き、緩みがないようにしましょう。
シュロ縄で行う際には、湿らせたものを使うと滑りが良くなり、締まりも強くなります。
その他のロープワーク(結び方)
ここでは、その他のロープワーク(結び方)についてご紹介します。
裏二の字結び
四ツ目垣の立子と胴縁を縛る時や藤棚など、直交する竹を縛る際に用います。
- 右手下から竹の裏の上にロープの先端を出す
- 竹の前に先端を出し、右手から斜め左下に持っていく
- 左下から竹の裏を通って左上に出す
- 左上から下に持っていく
- 揃えたら「男結び」をして完成
裏十字綾結び
裏二の字結びと同様に、四ツ目垣の立子と胴縁を縛る時や藤棚など、直交する竹を縛る際に用いられます。
- 右手下から竹の裏にロープを通す
- 右手から竹の表に出して左下に通す
- 左下から裏を通って右上に出す
- ロープの本体を掛けて左横に出す
- 強く締める
- 両方のロープを手前で合わせる
- 「男結び」をしたら完成
うのくび結び
建仁寺垣、金閣寺垣などや笠の飾りなどに使われています。
また、三脚のトラタワや木の枝吊りなどにも使われている結び方です。
そのままでは弱いため、長期に用いる場合は男結びや本結びにしましょう。
- 竹の上を通し、竹に巻いて下の右側に出す
- 右下から左上下に出す
- さらに巻いて左下に先端を出す
- 竹を巻いて斜めのロープの下に通す
- ロープの先端を右に、ロープの本体を左に強く引いてしっかり締める
- この後に「男結び」または「飾り結び」を行う
引き解け結び
簡易的にロープの固定にも用いられます。
また、ものを束ねて縛る時にも使われます。
- 竹を右から左に巻く
- 長いロープの上を通って、先端を右に持っていく
- 先端を使ってU字型を作る
- U字を輪に通して左横に持っていく
- ロープの本体を強く締めて完成
かいずるからげ
四ツ目垣などによく用いられる縛り方です。
四ツ目の立子を男結びだけで結ぶと1本1本が緩んでしまう可能性があるため、この方法が用いられます。
- 竹の裏にロープを通し左下のから右上にロープの先端を持っていく
- ロープを表に出し右上から左下に出す
- ロープの本体の後ろを通って左上に先端を出す
- 左上から立子の上を取って右に持っていく
- 左上から立子の前を通り、割を入れて横竹の後ろから右下に持っていく
- 横竹を巻いて右上に持っていく
- 次の立子の左下から右斜め上に巻、さらに立子を巻いて左に先端を出す
- 左下へロープを下げる
- 左下からロープの上を通って左上に持っていく
- 立子の裏を通り割を入れて右下に下げる
- しっかりと締める
- ここまでが前立子と後立子に対する一巡で、最初と最後の留は「より結び」などで固定する
井桁の飾り結び
竹垣の笠の飾りや関守石を作る際に行います。
- 竹で男結びをする
- 右下のロープの先端を右上のロープの上に持っていく
- 右上のロープを右下と左上のロープの上に持っていく
- 左上のロープを右上と左下のロープの上に置く
- 左下のロープを右上のロープから右下の輪の中に入れる
- 全てのロープの先端を引っ張り、全体を引き締める(これで1段目が完成)
- 1~6までの手順を繰り返し、5段編み上げる
ふた結び
ふた結びは、一時的にロープの端を止める際に用いられます。
トラタワの元を杭などに止める際にも使われます。
- 竹の裏にロープを通す
- 左から右の表に返す
- ロープの元に輪を作る
- ロープの先端が、ロープ本体の上を越すようにする
- ロープ本体の下を通り、2つの輪を作る
- 本体のロープを強く引いたら完成
もやい結び
ロープの端に輪を作りたい時に使います。
一度作った輪の大きさが変わらないため、肩に掛けてものを引いたり、高木で自分の体を支えたりする際に用いられます。
用途が多いので、覚えておくと便利です。
- 輪を作る
- 本体のロープの下から差し込む
- さらに本体のロープの下を通す
- ロープの先端を先に通った輪に通す
- 強く輪を締めて完成
丸太担ぎロープ掛け
庭石や樹木の根幹について、ものを移動する際などに用いられます。
2つの輪に丸太を通すことで担ぎやすくなります。
- 横U字を作る
- ロープの先端を下に持っていく
- 巻いてから上にする
- さらに巻いたら先端を下に持っていく
- ロープを左隣の巻いた輪の中に通す
- 上の小さい2つの輪に担ぎ棒を入れ、下の輪に運びたいものを入れる
ロープワークについて知ろう
ロープワークにはさまざまな種類があるため、覚えるのに時間がかかることもあるでしょう。
知っていれば便利なことも多いため、まずは基本的な結び方から覚えていきましょう。