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溶接・塗装と組立の手順。業務に必要な資格はある!?

溶接や塗装はロボット化が進んでいる分野でもありますが、まだまだ職人の手も必要です。
特に溶接技能者で熟練した職人は貴重であり、需要も高くなっています。

本記事では、溶接・塗装の流れと関係する資格、組立の流れと関係する資格、それぞれについてご紹介します。

溶接・塗装の業務手順

溶接には大きく分けて、溶融接合する「融接」、圧力を加える「圧接」、接合部の隙間に母材よりも融点が低い金属を溶かし入れる「ろう接」などが挙げられます。
融接では、アーク溶接が使われることが多く、5,000℃~20,000℃の高温で強い光が出るのが特徴です。

鉄の溶融温度は1,500℃前後のため、効果的な方法とされています。
溶接が終わると洗浄し、塗装下地を塗布した後、仕上げに本塗装を行います。
塗装では、防錆処理されます。
建設機械メーカーなどでは、職人の手によって部品の仮付け溶接を行い、その後ロボットによって本溶接を行います。

関連する資格

アーク溶接作業は、労働安全衛生法による「危険または有害な業務」に該当します。
そのため、原則「安全または衛生のための特別教育(特別教育)」を受講する必要があります。
関連する資格には、「溶接技能者」「溶接管理技術者」「ガス溶接作業主任者」などが挙げられます。
塗装には、国家資格である「塗装技能士」があります。

組立の業務手順

組立工場では、ロボットを使った自動化が積極的に行われています。
ここでは、組立の業務手順について、ホイールローダーを例にご紹介します。

1.フレーム部の組立
フロントフレームにフロントアクスル、リアフレームに燃料タンクに取り付けます。

2.カウンターウェイト・エンジンの取り付け
牽引コンベアーの台車でフレームが運ばれてくるので、カウンターウェイトとエンジンユニットを取り付けます。

3.ラジエーター・シリンダー・作業油タンクの取り付け
エンジン用ラジエーターとブーム用シリンダー、作業油タンクを取り付けます。
タンクの設置と配管作業も行います。

4.エンジンフード・運転席の取り付け
エンジンフードと運転席を取り付けます。
電気的な接続作業は、人数を割いて行います。

5.ブーム・バケット・外装パーツの取り付け
クレーンを用いてブーム、バケット、職人の手で蟻組などの外装パーツの取り付けを行います。

6.燃料・作動油の給油・冷却水の給水
燃料・作動油の給油・冷却水の給水を行います。
機種ごとに油種や油量が異なるので、データをインプットし、それに応じて給油機がホースを下ろします。

7.ドライブシャフトの接続
エンジン始動に備えるためのドライブシャフトを接続します。
作業員が車体の下にもぐり込んで作業します。

8.タイヤの取り付け
タイヤを取り付け、専用締め付け装置でホイールナットを締め込みます。

9.バケット・ライト・ポジションの調整
ブームが正常に動くか確認し、パケットとライトポジション、角度などの調整を行います。

10.フラッシング・洗車
作業油タンクに新しい油を入れて循環させます。
その後、手洗いで汚れと脂分を落とします。

11.最終検査・出荷
すべてが終わったら最終検査を行い、出荷されます。

関連する資格

組立と分解には特別な資格は不要ですが、クレーン作業を行えるようにするため、運転と玉掛けの資格の取得がおすすめです。
運転と玉掛けの資格は、吊り上げ荷重が5t未満のクレーンの運転や1t未満の玉掛け作業ができます。
労働安全衛生法で定められた特別教育を修了すれば取得可能です。

溶接と塗装と組立について知ろう

ロボットによる自動化が進んでいる分野でもありますが、まだまだ熟練した職人が求められています。
興味のある方は、関連する資格の取得を検討してみてはいかがでしょうか。