建築施工管理技士とは、施工管理技士の国家資格の1つです。
現場において工事全体の監督を担うのが仕事です。
依頼主との打ち合わせや職人への指示などを主に行います。
本記事では、建築施工管理技士とはどのような資格か、1級と2級の違いは何かなどをご紹介します。
建築施工管理技士1級・2級の違い
建築施工管理技士とは、全建設工事の施工管理に携われる資格です。
決められた工期・工程内に、安全に工事を進めるように管理します。
具体的には、依頼主や設計者との打ち合わせ、職人への指示、指導などを行います。
建築施工管理技士には1級と2級があり、違いは以下の通りです。
1級
携わることができる工事の規模に制限がありません。
高層マンションや大型ショッピングモール、公共施設など、大規模な工事にも携われます。
また一般建設業および特定建設業の「営業所ごとに配置される専任の技術者」や現場に配置する「監理技術者」として認められます。
さらに「建設工事における主任技術者」になることも可能です。
2級
2級は中小規模の建設工事に携わることができます。
一般建設業における「営業所ごとに配置される専任の技術者」や「建設工事における主任技術者」として認められます。
また1級とは資格の形態が異なるのが特徴です。
1級は合格すればすべての分野の施工管理に携われるのに対して、2級は「建築」「躯体」「仕上げ」の3つの区分に分かれており、それぞれの分野で試験が実施されています。
このため、すべての分野を管理するには、3種類の試験に合格する必要があります。
受験資格の違い
1級と2級はそれぞれ受験資格も異なりますので注意しましょう。
主な受験資格は以下の通りです。
1級
指定学科卒業後 3年以上 指定学科以外卒業後 4年6ヶ月以上
指定学科卒業後 5年以上 指定学科以外卒業後 7年6ヶ月以上
指定学科卒業後 10年以上 指定学科以外卒業後 11年6ヶ月以上
15年以上
2級
指定学科卒業後 1年以上 指定学科以外卒業後 1年6ヶ月以上
指定学科卒業後 2年以上 指定学科以外卒業後 3年以上
指定学科卒業後 3年以上 指定学科以外卒業後 4年6ヶ月以上
8年以上
出典:建設管理センター「建築施工管理技士」
※令和3年度より、施工管理技術検定の受験資格が変更されます。
建築施工管理技士1級・2級の試験内容

ここでは、建築施工管理技士の試験内容についてご紹介します。
問題内容、試験に向けて重要になる点も異なりますので、しっかりとチェックしておきましょう。
どちらも令和元年度の例です。
1級の試験内容
学科試験(マークシート方式)
建築学法等、施工管理法、法規
実地試験(記述式)
施工管理法
2級の試験内容
学科試験(マークシート方式)
建築学等、施工管理法、法規
実地試験(記述式)
施工管理法
躯体施工管理法
仕上げ施工管理法
出典:一般財団法人 建設業振興基金「1級 建築施工管理技術検定のご案内」
出典:一般財団法人 建設業振興基金「2級 建築施工管理技術検定のご案内」
※令和3年度より、施工管理技術検定の試験内容が変更されます。
建築施工管理技士に求められる能力

建築施工管理技士は、施工に関する専門的な知識があることを証明できます。
また知識だけでなく、管理能力や臨機応変に対応する力も大切です。
建築施工管理技士は、工期通りに安全に工事を進めるように管理します。
しかし、天候や不測の事態により、工事がスケジュール通りに進まないことも多いです。
その際に、新たにスケジューリングし直したり、職人の手配をやり直したりなど、柔軟に対応できる能力が求められます。
建築施工管理技士となるメリット
建築施工管理技士の資格を取ることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
メリット1:総合的な知識が身に付く
知識を体系的に学ぶことができるので、理由も分からず暗記状態ではなくなります。
そのため、後輩や部下がいる方は、しっかり理由から説明できるようになるでしょう。
メリット2:責任者になれる
特に1級を取得することで、あらゆる現場のリーダーとして活躍できるようになります。
社外の方からの信頼も得られるので、仕事もしやすくなるでしょう。
建築施工管理技士は施工管理のオールラウンダー
建築施工管理技士は、すべての建設工事の施工管理が可能な資格です。
1級の資格があれば、工事現場の規模に関係なく施工管理が可能です。
2級の資格では、中小規模の現場に携わることができます。
1級と2級では仕事の範囲が異なるので、チェックしておきましょう。
高層マンションや大型商業施設など、大規模な現場の施工管理業務を考えているなら、1級の資格取得が必要です。
施工管理の仕事に携わりたいと考えている方は、資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。