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施工管理職が覚えておきたい保険知識。種類やそれぞれの特徴!

建設現場では想定外のトラブルが発生する可能性があります。
そんなときのために、建設業にはさまざまな保険が用意されています。
本記事では、施工管理職として覚えておきたい各種保険の種類や、それぞれの特徴についてご紹介します。

【建設業に関わる保険1】建設中の建築物・現場にあるもの

建設業に関わる保険の一つが、建設中の建築物や設備に関する損害をカバーするものです。
たとえば以下のような保険があります。

建設工事保険

建設工事保険は、建物の建築工事中に現場で発生した工事対象物に関する損害を補償する保険です。
1つの工事のみを補償する「スポット契約」と、1年間のすべての工事を補償する「年間契約」があります。

土木工事保険

道路の舗装、地面の掘削、トンネル工事など、土木工事を主体とするものに関する損害を補償する保険です。
工事着手時から目的物の引き渡しまでの期間で設定できます。

組立保険

ビルの冷暖房や電気設備、ボイラーなどの組立工事や据付工事中の、不測かつ突発的な事項によって起こった損害を補償する保険です。
基本的に、工事の着手日から引き渡しまでの期間で設定できます。

運送保険

国内で陸上輸送される貨物を対象とした保険です。
輸送中だけでなく、保管中や加工中も補償の対象となる保険もあります。

動産総合保険

不動産以外の財産のうち、損害保険でカバーできないものについて補償する保険です。
天災や輸送中の偶発的事故による損害が補償されます。
リース物件が賃借人に引き渡され、リースが開始された日からリール期間が終了した時まで有効です。

【建設業に関わる保険2】従業員の負傷

建設業の従業員

保険には、従業員の負傷などを補償してくれるものもあります。
ここではその一部をご紹介します。

労働災害総合保険

従業員の労働災害に対して、労災保険の上乗せ給付や損害賠償責任を補償してくれる保険です。
基本的に保険期間は1年間です。

傷害保険(事業者向け)

仕事中のケガに関する補償をしてくれる保険です。
業務上・業務外に関わらず補償してくれる保険もあります。

【建設業に関わる保険3】賠償問題

トラブルの内容によっては賠償問題に発展する可能性もあります。
ここでは、賠償問題に関わる保険をご紹介します。

請負業者賠償責任保険

作業時に起こった対人・対物事故の賠償責任を補償してくれます。
保険期間は基本的に1年間です。

工事賠償責任保険

工事中に起こった事故に関する賠償責任を補償してくれる保険です。
保険期間は基本的に1年間です。

生産物賠償責任保険(PL保険)

製品や商品に関するPL事故や、仕事の結果に起因する対人・対物事故の賠償責任を補償してくれる保険です。
保険期間は基本的に1年間です。

住宅瑕疵担保責任保険

住宅の引き渡し後、10年以内に瑕疵があった場合、補修を行った事業者に支払われる保険です。

日本建設業連合会がおこなう社会保険未加入対策

日本建設業連合会

近年、建設業界では、社会保険未加入が問題となっています。
そのため、日本建設業連合会は、以下のような社会保険未加入対策を行っています。

  • 現状把握
  • 加入に向けた周知徹底
  • 見積要綱や契約書などの契約関係書類の変更

日本建設業連合会は、企業単位や労働者単位で、適正な社会保険加入状況の調査・把握を行っています。
また、元請けの建設会社や、現場における下請会社・現場入場者に対して、周知徹底を行っています。
さらに、下請企業へは特段の理由がない限り、適正な社会保険に加入していない労働者の現場入場を認めないことを、日本建設業連合会は明示しています。

出典:一般社団法人「日本建設業連合会

免責事項を事前に確認しておくことも重要

保険は、万が一のトラブルの際に事業者や労働者を守ってくれます。どんな保険に加入しているのか、種類や内容を把握しておきましょう。
また、各種保険には免責事項が設けられていますので、事前の確認が重要です。
確認しておかないと、補償の対象にならなかったり、別の保険と補償がかぶったりする可能性もあるので注意しましょう。

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