建築図面とは、建築工事を実際に行う際に、全体から細部までの詳細を記した図面のことです。
建築図面は大きく3つに分類されます。
本記事では、建築図面の種類や内容、作成方法などをご紹介します。
建築図面とは
建築図面とは、建物を建てる際に「どのように構築するか」を示した図面です。
一般的に、建物1棟に対して複数種類の図面が作られます。
建築図面は、大きく分けて3種類、そしてさらに細分化すると22種類の図面で構成されます。
次項では、建築図面の種類について詳しくご紹介します。
建築図面の種類

建築図面は、大きく分けると以下の3つに分類できます。
意匠図面
意匠図面とは、建物の間取りやデザインなど、完成後の姿を描いた図面です。
建物をさまざまな角度から見た図面を作成します。
- 仕上表
- 展開図
- 付近見取り図
- 配置図
- 求積図、面積図
- 平面図
- 断面図
- 立面図
- 短計図
- 屋根伏図
- 天井伏図
- 建具表
- 外構図
この中で特に覚えておきたいのが、「仕上表」と「展開図」です。
仕上表
各部屋の床や壁、天井などの仕上材が書かれた図面です。
表と文字で構成されています。
展開図
各部屋の中央部か、四方の壁を見る図面です。
天井の高さ、窓の位置、ドアの位置などを確認できます。
構造図面
構造図面とは、柱や梁、壁など、建物を支える構造部材の配置や大きさなどの情報を示した図面です。
- 杭伏図(くいふせず)
- 基礎伏図
- 各階伏図
- 軸組図
- 小屋伏図
設備図面
設備図面とは、給水、排水、ガス、電気、空調などの設備の仕様について記された図面です。
配管の位置や経路、コンセント数などの詳細も書かれています。
特に覚えておきたい図面が、「衛生設備図」と「電気設備図」です。
衛生設備図
建物内の給水設備、排水設備、雨水排水設備などの衛生設備について記した図面です。
電気設備図
電気設備に関するすべてが記されている図面です。
電源引き込み経路、電源ブレーカーの位置、照明の位置などが記されています。
建築図面の作成方法・手順

建築図面を手書きする場合、以下のような道具が必要です。
- 平行定規
- 勾配定規
- ドラフティングテープ
- テンプレート
- 三角スケール
- 消しゴム
- シャープペンシル
1.壁芯・柱の中心線を書く
基準線(XY)を書き、壁の中心線を書きます。
2.壁と柱の下書き線を書く
壁の厚さや柱の太さ、位置などを書きます。
通し柱が上下の階で位置が間違っていないか確認することが大切です。
3.壁と柱の仕上線を書く
壁の違いに注目しながら、壁と柱の仕上線を書きます。
仕上線ははっきりとした太い線で書きましょう。
4.開口部を書く
窓やドアなどの開口部を書きます。
開口部の種類によって書き分けましょう。
5.設備や床仕上を書く
洗面台、流し台、換気扇などの設備や、タイルや畳などの床仕上を書きましょう。
建築図面の作成ポイント
最近では、CADソフトなどを使用して建築図面を作成することも多いです。
ここでは、CADソフトを使った建築図面の作成ポイントをご紹介します。
CADソフトを使用する前に押さえておきたいポイント
図面を作成する際には、誰が見てもわかりやすいものに図面を制作する必要があります。
余計な装飾はせず、シンプルに書きましょう。
また、線の強弱などをつけてメリハリのある図面にすると、見やすくなります。
CADを使用した基本作成手順
- CADのソフトウェアを起動します
- 「図面を作る」選択をし、新規作成を選びます
- 直線、円弧、フィレットなどの機能を組み合わせ、必要な形状を作成します
- 寸法、バルーン、注記などの機能を組み合わせ、図面を完成させます
- 「名前をつけて保存」を行って完了です
建物を作るために必須となるもの
建築図面は、建物に関する技術的な図面の総称です。
大きく分けて3種類、細かく分類すると20種類以上にもなります。
それぞれ、建物を建てる上で重要なものとなりますので、覚えておきましょう。