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チョーキング現象の放置はNG!補修について覚えておこう

外壁工事に携わる前に、施工管理職として知っておきたいのが「チョーキング現象」です。
チョーキング現象は、外壁の劣化症状の一つで、放置しておくとさまざまな不具合が起きる可能性があります。
本記事では、チョーキング現象の概要、起こった時の対応、予防としてできる対策などをご紹介します。

チョーキング現象とは

チョーキング現象とは、紫外線、風雨、熱などによって顔料(着色に用いる粉末)が劣化し、チョークのような粉が出る現象です。
紫外線の影響を受けやすい高い場所、バルコニーなどによく現れます。
白い粉だけでなく、外壁の色に似た粉が出る場合もあります。

チョーキング現象が出た場合、外壁塗装を検討した方が良いとされています。
以下が、その理由となります。

  • カビや苔などが発生する可能性がある
  • 塗料の性能が落ち、クラック(ひび割れ)が起きる可能性がある

このため、チョーキング現象を発見したら、早めに外壁塗装を行いましょう。

チョーキング現象が起こる原因

チョーキング現象

チョーキング現象が起こる原因は、主に以下の理由が考えられます。

原因1:紫外線や風雨などによる劣化

チョーキング現象の原因としてまず挙げられるのが、紫外線や風雨、熱などの自然現象による劣化です。
塗料に含まれている顔料は、通常は粉末状です。
この顔料に、合成樹脂や添加物を混ぜ、そこにシンナーなどで薄めた水を混ぜることで塗料が出来上がります。
しかし、塗料は自然現象によって徐々に劣化し、分解されてしまいます。
なお、塗料が分解されて、粉末状の顔料として再び表面化するのが、チョーキング現象です。

原因2:施工不良

施工不良がきっかけで、チョーキング現象が起こる場合もあります。
たとえば、以下のような原因が考えられます。

  • 塗装の際にしっかり洗浄がされていない
  • メーカーが推奨する環境で塗装作業が行われていない
  • 洗浄後の乾燥不足
  • 塗料の攪拌不足

塗料の耐用年数よりも前にチョーキング現象が起こった場合は、このような施工不良が考えられます。

チョーキング現象の確認方法

チョーキング現象の確認方法は、以下のとおりです。

確認方法1:直接手で触れて確認する

外壁を手で触った時に白い粉が付いていれば、チョーキング現象が起きている可能性があります。
うっすら壁の色の粉が付く程度なら、そろそろ外壁塗装を考える時期とされています。
しかし、しっかりと手に色が付いてしまうなら、外壁の劣化がかなり進んでいる状態のため、早めに外壁塗装を行う必要があります。

確認方法2:水に濡らしてみる

雨が降った時や、水に濡らして確認する方法です。
外壁が濡れている時に変色していると、チョーキング現象が起こっている可能性があります。
チョーキング現象が起こっている時は、防水効果が薄まっているため、水をはじくことができません。
その結果、水分を吸い込んでしまい、壁の色が変色してしまいます。

チョーキング現象の補修方法

チョーキング現象

チョーキング現象の一般的な補修方法は、新しく塗装し直すことです。
チョーキング現象が一度起きてしまうと、現在の塗膜は機能しなくなるため、洗浄してきれいにするだけでは解決しません。
ここでは、一般的なチョーキング現象の補修方法をご紹介します。

1.高圧洗浄を行う
外壁に付いている汚れや、チョーキング現象で出る粉をきれいに洗浄します。
汚れたまま新しく塗装しても、うまく塗装できなかったり、膨れてしまったりします。
また、洗浄後はしっかり乾燥させます。

2.下地処理
外壁のクラックやシーリングの劣化などを補修します。

3.下塗り
プライマーと呼ばれる材料を使い、下塗りを行います。
プライマーには、上塗り塗料の過剰な吸い込みを抑制する効果があるとされています。
また下塗りは、上塗りの塗料を定着させるための重要な工程です。

4.上塗りを行う
下塗り後に、上塗り作業を行います。
上塗りは仕上げ作業となる大事な作業です。
上塗りの工程は、特に乾燥時間が重要とされています。
乾燥時間は季節によって異なるため、天気や気温、湿度などを確認した上で、現場での判断が重要です。

チョーキング現象について正しい知識を持とう

チョーキング現象は、主に紫外線や風雨、熱などの自然現象によるダメージが積み重なることで起きる現象です。
そのため、チョーキング現象が起こることはほぼ避けられないといえるでしょう。
また、環境によっては耐用年数よりも早めにチョーキング現象が起こる可能性があります。
もし、塗料の耐用年数よりも早めにチョーキング現象が起こった場合は、経年劣化なのか、施工不良なのかきちんと見極めることが重要といえます。