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プロポーザル方式とは!?建築設計に携わる方は知っておきたい基本知識

プロポーザル方式とは、建築設計者を選定する方法の一つです。
プロポーザル方式は、公正に設計者を選ぶために作られました。
本記事では、プロポーザル方式の概要や種類、選定の流れなどを紹介します。

プロポーザル方式とは

プロポーザル方式とは、建築設計などを委託する際に提出されたプロポーザル(提案書)を元に最も適した設計者を選ぶ方法です。
プロポーザル(提案書)には、設計者の技術力や経験、体制などが記載されています。
プロポーザル方式が適正に運営された場合、客観的な評価基準によって選ばれるため公正な審査が可能です。
また設計者の技術力や経験、プロジェクトに関する体制など提出されたプロポーザルを元に判断することで、質の高い建築設計が可能になるとされています。
設計案の提出を求めるコンペ方式と比べて費用、労力、時間の削減が期待できるといわれています。

出典:国土交通省「プロポーザルを始めよう!

プロポーザル方式の種類

施工管理職の男女

プロポーザル方式にはいくつかの種類がありますが、ここでは「公募型」と「環境配慮型」についてご紹介します。

プロポーザル方式の種類1:公募型

公募型は、地方公共団体が事業者を選ぶ際に利用される入札方式の一つです。
民間の事業者は期日までに提案書を提出し、地方公共団体がその提案書を元に受託者を決定します。
発注する場合には、事前に業務の場所や目的、期間が提示されるのが特徴です。
1994年度より「一定金額以上の事案」に対し、公募型が導入されています。
また1996年度からは、公募型より規模の小さい事案の場合「簡易公募型」が導入されました。

プロポーザル方式の種類2:環境配慮型

環境配慮型は、温室効果ガスなどの排出の削減に配慮する内容を盛り込んだ方式です。
自然エネルギーなどの積極的な利用を含んだ技術提案を元に、総合的に判断し最も優れた者を選定します。
環境配慮型は、国や独立行政法人などが建築や大規模な改善を行う際に採用されることがほとんどです。
これは2007年11月に施行された「国等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律」と同年12月施行の「国及び独立行政法人等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する基本方針」に基づいて定められました。

プロポーザルの流れ

プロポーザル方式は、主に以下の流れで行われます。

  1. 発注者は事前に業務(提案書)の場所や目的、期間を提示
  2. 受託希望者は設計に対する遂行方法や価格、方法などを提案し、提案書の形にまとめる
  3. 発注者は提案書を元に審査をする
  4. 受託希望者に提案内容についてのヒアリングをする
  5. 発注者は提案書やヒアリング結果を元に受託希望者を選定する

選定された設計者は、選定後に具体的な設計を発注者と行います。
具体的な設計を発注者と設計者が話し合いながら行うため、ニーズに合った質の高い建築設計が可能になります。

コンペとの違い

プロポーザル方式とコンペ方式の大きな違いは、選ぶ方式です。
コンペ方式は「設計案」を元に検討されます。
一方で、プロポーザル方式は設計案ではなく「設計者」を選ぶのが特徴です。
プロポーザル方式は選定後に発注者と一緒に設計案を決めるため、選定段階で設計案は提出しません。
そのため、コンペ方式と比べて主催者側も提出者側も簡便な対応が可能です。
選定対象が「人」か「設計案」かという点が大きく違うことを覚えておきましょう。

出典:国土交通省「プロポーザルを始めよう!

プロポーザル方式は設計者を選ぶ方式

プロポーザル方式は、提案書を元に適した設計者を選ぶ方式です。
提案書には技術力や実績などが記載されており、それを元に最も適しているとされる設計者が選定されます。
建築設計に携わる方は覚えておきましょう。