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負荷電流について施工管理職が覚えておきたいこと。測定方法や注意点

負荷電流は、電気工事に携わる施工管理職の方は覚えておきたい知識の一つです。
電気施工管理職として、負荷電流を正しく計測しておくことが大切です。
しかし測定方法や注意点などについて、不明点が多い方も多いのではないでしょうか。

本記事では、負荷電流の概要や測定方法、測定で注意することなどをご紹介します。

負荷電流とは

負荷電流とは、負荷に供給している電流です。
エアコンや電動機など電気を消費する機器は、電気回路上では「負荷」として扱われます。
負荷電流は、「最小負荷電流」と「最大負荷電流」に分けられます。

最小負荷電流は、SSRにおいて負荷開閉が可能になる最小の電流を指します。
負荷電流が小さ過ぎると、SSRが正しく開閉できなくなるため注意が必要です。

最大負荷電流は、連続して負荷に流せる最大電流の実効値です。
最大負荷電流を計測するには、特定の冷却条件を満たす必要があります。

無負荷電流とは

無負荷電流とは、負荷をかけない状態で電圧を加えたときに流れる電流です。
無負荷状態だと電動機などに電流は流れることはないとされていますが、実際に電動機を使用する際には空気抵抗による動力の損失などが起こるため電流が流れることがあります。
この電流のことを、無負荷電流と呼びます。

負荷電流の測定方法

負荷電流は、クランプセンサーなどを用いて測定を行います。
クランプセンサーは、電流を測定したい部分をセンサー部分で挟むことで電流を測定する機器です。
ここでは、一般的な負荷電流の測定方法についてご紹介します。

交流電流の測定方法

交流電流を測定する場合、クランプセンサーの向きは関係ないため、どちら向きに挟んでもよいとされています。

  1. クランプセンサーのロータリースイッチを回して「交流電流測定」に設定
  2. クランプセンサーを測定したい電線に挟む

配電盤や分電盤で測定を行う

電気設備を測定する際には、クランプセンサーが安全性能を満たしているか確認しましょう。
計測器は使用できる場所が定められていますので、仕様書や本体の表記などをチェックします。
近年の配電盤は、ダブル配線や環境に配慮したサイズ設計「ECSO」となっていることが多いです。
測定箇所が狭くなるため、クランプセンサーが電線の隙間に入れられなければ測定できないので注意しましょう。
ダブル配線を測定する場合は、2本(一相分)を一緒に挟みます。

直流電流の測定方法

  1. クランプセンサ部のロータリースイッチを回し「直流電流測定」に設定
  2. 測定したい電線に挟む

直流電流を測定するときは、センサー部の矢印に従って挟みましょう。
直流電流が流れる向きとセンサー部の矢印が合っていれば正の値、反対なら負の値が表示されます。
向きに気を付けないと正しく測定ができませんので注意しましょう。

電気機器の消費電流の測定方法
電気機器が消費する電流を測定する際には、2線あるうちのどちらか1線を挟んで測定します。

測定の注意点

負荷電流

負荷電流を正確に測定するには、正しい向きや方法で測定しなくてはいけません。
ここでは、注意点についてご紹介します。

単相2線式を測定する場合

単相2線式とは、電圧線と中性線の2本を用いて電流を送電する方法です。
家庭用コンセントは、主にこの単相2線式を採用しています。
単相2線式を測定する場合は、電圧線と中性線どちらかの負荷電流を測定しましょう。

単相3線式の場合

単相3線式は、電圧線2本と中性線1本で電流を送電する方法です。
中性線の電流を小さくすることで、単相2線式よりも大きな電圧を扱えるのが特徴です。
測定の際には、2本の電圧線と中性線をそれぞれつまみ、3本の線の流れる電流を単独で測定します。

負荷電流を理解しておこう

負荷電流は、電気回路の負荷に流れる電流を指します。
特に電気設備の施工管理については欠かせない知識の一つですので、負荷電流の正しい知識と測定方法について理解を深めておきましょう。