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建築業界におけるハト小屋とは!?役割や建築するメリットを知ろう

ハト小屋と聞くと、鳥の鳩を連想する方も多いのではないでしょうか。
建築業界で使われる「ハト小屋」は、鳥の鳩とは関係ない独自の意味を持っています。

本記事では、ハト小屋の概要や建築工程、ハト小屋のメリットなどをご紹介します。

建築におけるハト小屋とは

建築用語のハト小屋とは、屋上に設けられた箱状の構造物のことです。
ハト小屋は俗称ですが、設計図に記載されることもあるほど有名な言葉で、鳩が住む小屋に似ていることから名づけられました。

主に、屋上部分に設置される室外機や配管類などを保護する目的で作られます。
室外機や冷却等への配管を屋上へ貫通させる際に、防水対策としてハト小屋を設け、側面から配管を抜いて雨仕舞いなどを行います。
屋上スラブ打設後にコンクリートなどで作られます。

ハト小屋のメリット

ハト小屋のメリットは、主に以下の2つです。

防水性の向上

ハト小屋によって、エアコンの室外機や配管類を保護することで防水性を高められます。
また、ハト小屋があれば配管類を水平に設置できるため、雨仕舞いなどを行いやすいのが特徴です。

点検口の役割を果たす

ハト小屋があれば配管類などをまとめられるため、簡単に点検が可能になります。
わざわざ点検のために別の構造物を作らなくてもよいため、作業効率アップにもつながるでしょう。
点検を行いやすいように、開閉が可能になっているハト小屋もあります。

ハト小屋の建築工程

屋上の工事

ハト小屋は、主に屋上スラブ打設後に作られます。
ここでは、一般的な建築工程についてご紹介します。

1.墨出し
工事の基準となる設計図の墨出しを行います。
墨出しが正しい位置になっていないと工事がスムーズに行えないため、重要な作業です。
墨出しには昔ながらの墨壷や、マジック、レーザーなどを用いて行います。

2.型枠
コンクリートを打設するための型枠を設置します。
コンクリート硬化後に外すことから「仮枠」と呼ばれることもあります。
一般的には、ラワン合板等を使用して加工します。
枠は開かないようにセパレーターなどで固定されます。

3.配筋
鉄筋を設置し組み立てます。
設計図通りになるように鉄筋を切ったり曲げたりしながら固定していきます。
配筋が終わったら配筋検査を行い、強度に問題はないか、設計図通りにできているかなどを確認します。

4.コンクリート打設
コンクリートを型枠に流し込みます。
振動を与えるなどして締固め、表面をコテなどで均して均一にします。

5.型枠バラシ
コンクリート硬化後に型枠を外す作業です。
セメントの種類などによって型枠を設置しておく期間などが定められているので、そちらも参考にしましょう。

6.防水
雨水などが建物内に入り込まないように防水工事を行います。
防水工事を行うことで雨水の侵入を防ぎ、長期的な利用を可能にします。

7.仕上げ
モルタル等を用いて仕上げを行います。
コテなどを用いてモルタルを塗っていきます。

ユニット化したハト小屋もある

ハト小屋を設置するためには手間がかかるため、最近ではユニット化されたハト小屋も販売されています。
ユニット化することで工期を短縮することができます。
さらに養生期間も不要なため、設置後すぐに屋上防水工事や配管設備工事などが行えるのが特徴です。

ハト小屋の意味を知ろう

建築用語のハト小屋は、屋上に設けられる箱状の構造物のことです。
主に配管類やエアコンの室外機などを保護するために設けられます。
ハト小屋を建設する作業工程は複雑なため、近年では組み立てが簡単なユニット化されたハト小屋も登場しています。
建設業界で働く方は、ハト小屋の意味を知っておきましょう。