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電気施工管理に関わるコンダクタンスを解説!抵抗との違いは何?

コンダクタンスは、電気施工管理に関わる用語です。
電気施工管理を行う際に必要なもので、コンダクタンスを理解することで、直流回路の基本や複素アドミタンスなどが理解できるようになるとされています。

本記事では、電気施工管理に携わる方は覚えておきたい「コンダクタンス」についてご紹介します。

コンダクタンスとは

コンダクタンスとは、電流の流れやすさを表す物理量のことです。
コンダクタンスを表す記号は「S(ジーメンス)」、コンダクタンスの量を表す際には「G」が用いられます。

抵抗との違い

抵抗は電流の流れにくさを示す用語です。
電気抵抗はレジスタンスという場合もあり、「Ω(オーム)」という単位で表記されます。
コンダクタンスとは逆数の関係になり、意味が反対となります。
コンダクタンスを求める際には「1を抵抗で除する」となり「抵抗は1をコンダクタンスで除したもの」と表現されます。
コンダクタンスの流れやすさと、抵抗の流れにくさは相反するもののため「コンダクタンスと抵抗の積はつねに1」とされています。

誘導率との関係

コンダクタンスは電気回路の特性を示す場合に用いられ、誘導率は物質が蓄積できる電気量を表します。
誘導率は絶縁体の指標に用いられ、数値が高いほど蓄積できる電気の量も多くなります。
温度や周波数などに依存するため、絶縁体を用いる際には比誘導率を使用する方が多いとされています。

アドミタンスとの違い

アドミタンスは、インピーダンスの「流れにくさ」と「流れやすさ」を表します。
コンデンサなどの交流回路では、抵抗に対して電流の位相が変化します。
この抵抗が、レジスタンスと区別するために「リアクタンス」と呼ばれます。
リアクタンスとレジスタンスが混ざった抵抗が「インピーダンス」です。

コンダクタンスの計算方法

コンダクタンスは、複数のコンダクタンスを一つのコンダクタンスとしたものを「合成コンダクタンス」と呼びます。
合成コンダクタンスの計算は、直列接続と並列接続の計算式で求めることができます。

直列接続の合成コンダクタンスの計算方法

直列接続を行った場合、それぞれのコンダクタンスの、逆数の和が合成コンダクタンスの逆数となるとされています。
計算は分数の足し算で行います。
抵抗が整数、コンダクタンスが分数となります。

並列接続の合成コンダクタンスの計算方法

並列接続をした場合、整数の足し算によって合成コンダクタンスを求めます。
抵抗が分数で、コンダクタンスが整数になります。
そのため、合成コンダクタンスを求めるには整数の足し算を行います。

オームの法則を使う場合もある

オームの法則を使った場合でも、コンダクタンスを表すことができます。
オームの法則は「電圧と電流が比例」「比例定数が抵抗」となる法則です。
計算式は「抵抗=電圧を電流で除する」となります。
コンダクタンスは抵抗の逆数のため、逆数を代入すればコンダクタンスを導き出すことが可能になります。
コンダクタンスを整数にするには、電圧と電流をそれぞれ逆数にする必要があります。

コンダクタンスを必要とする電気回路

コンダクタンスが必要な電気回路は直流です。
電気回路は、交流回路と直流回路に分けられます。
コンダクタンスは直流回路に関係し、交流回路はインピーダンスやアドミタンスなどが関係してきます。

直流回路とは

直流回路は電流が一定の向きや大きさとなっている回路のことです。
電流がプラスかマイナスに流れており、発光ダイオードなどは光り続けるのが特徴です。
直流回路は自動車のバッテリーや乾電池などで用いられています。
また送電線なども直流で、一般家庭で使用する際に交流に変換されます。

交流回路とは

交流回路とは、一定ではなく定期的に向きや大きさが変わる回路のことです。
1秒間に約50〜60回電気の向きが変わるといわれています。
例えば、発光ダイオードを接続した場合、発光ダイオードはプラスからマイナスの電流の時だけ光るため、交流では点滅することとなります。

コンダクタンスが必要な理由

電線工事の様子

電気施工管理の仕事でコンダクタンスが必要な理由の一つが「簡単に計算できる」ということです。
電気回路の計算をする場合、複数の抵抗をひとまとめにして考えなくてはいけません。この場合の抵抗の計算式は分数となります。
異なる分数を足し算しなくてはいけないため、計算が複雑になってしまいます。
しかし、コンダクタンスは抵抗の逆数になるため、整数の足し算で導き出すことができます。
また、コンダクタンスと抵抗はお互いが逆数に定義されるため、合成コンダクタンスを逆数にすれば、抵抗も簡単に計算できます。

コンダクタンスについて知っておこう

コンダクタンスは、電気の流れやすさを表します。
特に電気回路を理解するために、コンダクタンスは重要とされています。
主に直列接続で用いられますが、オームの法則にも活用できます。
電気施工管理に携わる方は、コンダクタンスについて理解しておきましょう。