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ブレース構造の特徴。ラーメン構造との違いとは!?

ブレース構造は、主に鉄骨造の建物を補強する役割を持っています。
鉄骨造の構造には他にラーメン構造などもあるため、どのような違いがあるのか把握しておきましょう。
本記事では、ブレース構造の役割や他の構造との違いなどについてご紹介します。

ブレース構造とは

ブレース構造とは、鉄骨造の建物などで採用されている構造形式です。
ブレース構造は、ブレースと呼ばれる斜め部材によって地震力などを負担させることで、合理的な部材断面が行えます。
これは斜めに設置されたブレースに水平力が流れることで、建物の変形を防止することができるからです。

また、ブレースが水平荷重に耐えるので、柱や梁などの主要部材が壊れにくくなります。
ブレースがないと、地震による水平荷重を受け流すのが難しいとされています。
自動車や鉄道車両、航空機など建物以外にも採用されている構造です。
ただし、強度を重視した構造のため、間取りの自由度は低くなるのがデメリットとされています。

筋交いとの違い

筋交いも同じく斜めに部材を入れる工法ですが、筋交いは木材、ブレースは鉄筋などの型鋼で作られた補強材という違いがあります。
筋交いは主に木造建築などで使用され、ブレースは鉄骨造などに使われます。
どちらも、建物の耐震性を高めるために用いられます。

ラーメン構造

ラーメン構造とは、長方形に組んだ骨組みによって建物を支える構造のことをいいます。
ラーメン構造の「ラーメン」は、枠や額縁を意味するドイツ語の「Rahmen」からとられています。
柱と梁で枠組みを作り、接合部を溶接などで一体化させます。
柱と梁の接合箇所を溶接で一体化することで、横からの揺れに強い構造になるといわれています。
主に鉄骨造・鉄筋コンクリート造のマンションや公共の建築物などで使われています。

ラーメン構造はブレース構造のように、斜め材を使用しないため空間を広く使えます。
しかし、ブレース構造よりもコストが高くつくケースが多いです。
また強度を高めるため、柱と梁が太くなってしまいます。
限界を超えた水平荷重では、柱や梁が破断する可能性があるでしょう。

ブレース構造の計算項目

ブレース構造

ブレース構造を用いる際には、以下の項目の計算が必要とされています。

計算項目1:ブレースの応力算定

応力算定では、作用する荷重にして生じる曲げモーメントやせん断力などを計算します。
水平力がベクトル分割増しされることに注意しましょう。
ブレースは斜め材なので、「α=斜め長さ/水平長さ」の割増しが、地震力に掛かります。

計算項目2:ブレースの断面算定

次にブレースの断面算定を行います。
断面算定は、断面に作用する断面応力によって、柱や梁の寸法、配筋、段面の形状などを計算します。
ブレースは一般的に引張力にだけ効かせます。
断面積と有効断面積を間違えないように注意が必要です。

計算項目3:ブレースの保有耐力接合

保有耐力接合は、構造物を問題なく支えられるように、接合部の耐力が母材の耐力よりも増すようにすることです。
ブレース構造は、地震などの際に水平力を負担しますが、十分な機能を発揮するためには、接合部が壊れないようにする必要があります。

ブレース構造とラーメン構造の違いを理解しておこう

ブレース構造はラーメン構造と共に、よく用いられる構造の一つです。
どちらの構造形式も、耐震性については一長一短あるため、建物の用途や間取りなどによって選択する必要があるでしょう。
ブレース構造は斜め部材を入れ、部材に地震の力を負担させることで、柱や梁の破損を防ぐことができます。
ブレース構造を採用するときは、応力算定、断面算定、保有耐力接合等の計算を行い、きちんと性能が発揮できる状態にしておきましょう。