パーティクルボードは、家屋などの建築現場で使用される木材の一種です。
建築現場で使用される資材は多種多様で、目的と用途によって使い分けられています。
パーティクルボードは他の木材と違い、どんな特徴があるのでしょうか。
本記事では、パーティクルボードの概要や規格、メリットやデメリットなどをご紹介します。
パーティクルボードとは
パーティクルボードは、大小の木材のかけらを接着剤を用いて面または軸材料として作り直した木材のことをいいます。
パーティクルは英語で「particle」を指し、「小片、細片」などのことです。
主に壁や床、屋根などの下地材や家具の素材として用いられています。
木材チップのサイズが大きいものは、壁材の素材として使われることもあります。
パーティクルボードのような木材の加工品は、強度の向上や木材の持つ節や目切れなどの除去や分散などを目的としています。
パーティクルボードの規格
パーティクルボードの規格は、JIS(日本産業規格)によって、「種類」「サイズ」「品質基準」の3種類が定められています。
種類
JIS規格では以下の4種類に分類されます。
- 素地パーティクルボード
- 単板張りパーティクルボード
- 化粧パーティクルボード
- 構造用パーティクルボード
両面が素地のものが、素地パーティクルボードと呼ばれます。
この素地パーティクルボードの両面に単板を貼ったものが、単板張りパーティクルボードです。
そして、素地パーティクルボードの両面または片面に化粧紙などを接着させたものを、化粧パーティクルボードや構造用パーティクルボードといいます。
サイズ
近年、厚さや幅、長さなどの種類が増えたことから、任意の組み合わせが可能なことから、以下のような範囲表記となっています。
- 厚さ:5 mm以上40 mm以下
- 幅:315 mm以上2,100 mm以下
- 長さ:450 mm以上6,100 mm 以下
品質基準
パーティクルボードは、表裏面の状態や曲げ強さ、耐水性、ホルムアルデヒド放散量などが期待されています。
パーティクルボードの品質で確認すること
パーティクルボードの品質を見極める際には、以下の項目を確認しましょう。
表裏面の状態
パーティクルボードは見た目の仕上がりや耐久性によって、素地パーティクルボード
単板張りパーティクルボード、化粧パーティクルボード、構造用パーティクルボードから選択できます。
品質を確認する際には、それぞれの特徴と、表裏面の状態を確認して選びましょう。
曲げ強度
パーティクルボードは、曲げ強度によって8~30までの分類がされています。
数字が少ないものほど強度が弱く、大きいほど強度が強くなります。
これらの数字を参考に、用途によって選びましょう。
ホルムアルデヒド放散量
ホルムアルデヒドは、内装用の建材から発生する化学物質の一種です。
消毒剤や防腐剤として広く使用されていますが、濃度が一定以上になると、人体に有害とされています。
パーティクルボードは、JISによってホルムアルデヒドが管理されています。
今では一般的に一番ホルムアルデヒドの発散速度が低い、「F☆☆☆☆(フォースター)」が用いられることが多いです。
パーティクルボードのメリット

ここでは、パーティクルボードの主なメリットをご紹介します。
加工しやすい
パーティクルボードは無垢材などと比べて加工しやすいのが特徴です。
そのため、住宅では、壁、床、屋根などの下地材として広く利用されています。
また、組み立て家具などにもパーティクルボードが使用されることがあります。
コストが安い
パーティクルボードは、木材を切り出したものや、一枚板と比較すると価格が安い資材です。
サイズが大きくなっても価格上昇が少ないため、全体的なコストを抑えられるでしょう。
断熱性や遮音性に優れる
パーティクルボードは他の資材と比較して、断熱性と遮音性に優れています。
そのため、壁の下地に使われることが多いです。
反りや割れが起こりにくい
パーティクルボードは、木材の細かい破片を加工して均一な板にしたものです。
そのため、資材として平均が取れているため反りや割れが少ないのが特徴です。
サイズに狂いが少ないため資材として使いやすく、建築材料としてはメリットが大きいでしょう。
パーティクルボードのデメリット
ここでは、パーティクルボードのデメリットをご紹介します。
水気や湿気に弱い
パーティクルボードは、木材の細かい破片を集めたものですので、水気や湿気に弱いとされています。
水分が付着すると劣化するため、ひび割れの原因となります。
他の木材と比べて強度が弱い
パーティクルボードは単一の素材ではないため、他の木材と比較すると強度が弱いとされています。
そのため使用する場所には注意する必要があるでしょう。
長期荷重でたわみが出る可能性がある
パーティクルボードは集合素材のため、重いものを長期間置いていると、たわみや歪みが出る可能性があります。
パーティクルボードの特徴を知っておこう
パーティクルボードは、コストが安く、断熱性や遮音性に優れています、
そのため多くの建築現場で採用されています。
ただし、水気や湿気に弱かったり、他の木材と比べると強度が弱いなどのデメリットもありますので、用途には注意しましょう。