ドロマイトプラスターは、塗壁用材料の一つです。
塗壁用の材料も種類が多いため、ドロマイトプラスターがどのような時に使う材料なのか知らない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、建設業界を目指す人が覚えておきたいドロマイトプラスターの概要や特徴、注意点などをご紹介します。
ドロマイトプラスターとは
ドロマイトプラスターとは、鉱物のドロマイトを用いた塗壁用の材料です。
ドロマイトは、石灰石が海中で変容して生成されたものとされており、苦石灰とも呼ばれています。
ドロマイトプラスターは、ドロマイトを950~1100℃で焼成し、水和反応から粒子を調整して完成します。
1954年に日本工業規格許可商品となり、需要が増加しました。
その後、1969年よりドロマイトプラスターに繊維などを配合し、水を加えるだけで使用できる新商品が開発されました。
ドロマイトプラスターの特徴
ここでは、ドロマイトプラスターの特徴を解説します。
耐火性に優れている
ドロマイトプラスターは、不燃、耐火、防火の性能を持っています。
さらに有毒ガスが発生しないため、さまざまな場所での塗装に向いているでしょう。
耐久性が高い
ドロマイトプラスターは石灰が変容したもののため、石灰に似た性質を持っているのが特徴です。
耐久性と対候性に優れているため、外壁を塗装する際にも用いられています。
壁材料として使用する際には、麻スサなどを配合してひび割れを防ぐこともあります。
防音性が高い
ドロマイトプラスターは、多孔質構造のため防音性に優れているとされます。
多孔質構造は、孔が無数に開いている構造のことで、孔の中に空気や水分を蓄えられます。
この孔が音の振動を遮断することで、防音性を発揮すると考えられています。
室内の音を外に漏れないようにし、屋外の音は室内に入らないようにする防音効果も期待できるでしょう。
コストが安い
ドロマイトプラスターは、他の材料に比べて安価なのが特徴です。
原料となるドロマイト鉱石は安定供給が可能であるため、製品価格を抑えられるとしています。
着色ができる
ドロマイトプラスターは元々が白色のため、比較的簡単に着色ができます。
着色剤を使用すればさまざまな色を楽しむことができるため、内装デザインの幅も広がるでしょう。
また、多孔質構造に着色剤が入り込むことによって、着色が長持ちしやすいのも特徴です。
加工性に優れる
ドロマイトプラスターは、混練りで比較的作業性が良いため、加工がしやすいのが特徴です。
意匠性の高い内装も実現できるため、デザインにこだわりたいケースにも向いているでしょう。
また材料となる骨材の粒度を変えることで風合いも変化させることができるため、さまざまな表現をすることができます。
ドロマイトプラスターで注意すること
ドロマイトプラスターは、施工後、数年経過すると、表面の剥離やひび割れが発生する可能性があります。
そのため、下地にムラ直しや櫛目入れ、下擦りなどが必要とされています。
さらに作業中の環境にも注意しましょう。
作業中は風が通らないように、できるだけ閉め切って作業します。
下塗りやムラ直しが終わったら、換気と乾燥を行います。
低温の場合は、できるだけ施工を行わないようにしましょう。
低温の状態で施工する場合は、適度に加温が必要です。
ドロマイトプラスターの特徴を理解しよう
ドロマイトプラスターは、耐久性、耐候性、耐火性に優れた材料のため、建造物の内装などによく用いられます。
特に学校や病院などの公共施設で使用されることが多いです。
現在では、石膏プラスターやクロス貼りなどが用いられることも多いですが、ドロマイトプラスターについての知識は知っておいて損はないでしょう。