工事現場では、埋め戻しの作業が行われることがあります。
1度掘削した地面を戻すのは何故なのでしょうか。
本記事では、埋め戻し作業の概要や使用する土の種類、埋め戻しに使用する材料などについて解説します。
埋め戻しとは
埋め戻しとは、掘削した地面を工事で発生した余剰分の土などで埋め戻す作業のことです。
基礎工事や地下工事が終了したあと、基礎の周囲や1階の土間部分などで実施されることが多いです。
埋め戻しが不十分だと、地盤の不良化や陥没などを引き起こす可能性があるため、慎重に行う必要があります。
土の種類
埋め戻しに使われる土には、主に以下が挙げられます。
砂
埋め戻し作業において最も多く用いられている種類の土です。
安価であり、自然のもののためセメントなどが使えない場所で用いられることが多いです。
ただし、締め固めや転圧などが確実に行えない可能性があるため、場所の特性をしっかり理解しておく必要があります。
セメントミルク
セメントミルクは、セメント、水、混和剤を混ぜたもののことです。
地盤改良工事、杭打ち工事、山留工事などで使用されています。
配合量を管理することで、同一品質のものを製造できるのがメリットです。
そのため、急なトラブルの際にも対処しやすく、ロスの少ない埋め戻しができるのが特徴です。
流動化処理土
流動化処理土は、現場で発生した残土に水とセメントを混ぜて作ったものです。
流動性があるのが特徴で、転圧機械による締め固めが困難な場所などで使用されています。
生コンクリートのように、外部から搬入するのが一般的です。
ただし、時間が経つと硬化してしまうため、調整が難しいというデメリットもあります。
埋め戻しに使う材料
埋め戻しには、主に以下の材料が用いられます。
- 山砂
- 根切り土
- 他の現場で建設発生土中の土
- 再生コンクリート砂
こうした材料の中から、現場の状況に合ったものを選択します。
埋め戻しの際に最も多く用いられているのは、山砂です。
安価で手に入りやすく、自然のものだからです。
しかし、場所によっては周囲の地盤沈下を引き起こす可能性があるとされています。
そのため、他現場で発生した土や、再生コンクリート砂を用いるケースもあります。
埋め戻しの目的や材料を知ろう
埋め戻しは、余剰分の土を埋めて元の状態に戻すことを指します。
埋め戻しに用いる土の種類は1種類ではなく、状況に応じて使い分けられます。
建設業に携わる方は、埋め戻しの目的や材料について理解しておきましょう。