「ピン角」とは素材の形状を表す用語の一つです。
しかし、日常的に使われない言葉なので、どんな形なのかすぐにピンとこない方も多いのではないでしょうか。
本記事は、ピン角の概要やピン角に使用する道具、ピン角を面取りする理由などをご紹介します。
ピン角とは
ピン角とは、柱や什器、壁面などの直角に突き出た形状のことです。
きれいなピン角を作り出すには、高い加工技術や施工管理が求められます。
精密なピン角が必要とされる場合は、ワイヤーカット、レーザー加工機、
射出成型などの方法を用いて作られます。
きれいなピン角で作られた建築物は、美しい空間を生み出せます。
ピン角に使用する道具の選び方
ピン角を作るにはさまざまな道具を使用しますが、選び方も重要です。
ここでは、ピン角の面取りをする道具の選び方をご紹介します。
選び方のポイント1:角度に合わせる
精密なピン角を作るためには、角度を正確にする必要があります。
正確な角度を作り出すには、ビットや面取りカッターなど
5度刻みにすることができる先端工具が使用されます。
設計図に書かれている角度を測定後、それに合った工具に取り替えて加工をします。
主軸が4〜5ある卓上機や大型機械の場合、先に主軸を操作します。
そして面取りしたい角度に合わせた後、先端工具を用いて加工しましょう。
選び方のポイント2:深さの確認を行う
面取りの先端工具は、加工する際の深さに合わせた先端を用います。
加工する際にはまず浅めに加工し、少しずつ深くしていきます。
選び方のポイント3:表と裏を把握する
ネジ穴のように貫通する部材は、表と裏の両面を面取りする必要性があるケースもあります。
裏を面取りする場合、デバリングツールやピンセット型のバーオフツールなどを用います。
これらの道具は穴に入れて抜くだけで、表と裏の面取りを完了させられます。
主に多軸ボール盤や旋盤、NC工作機、ハンドツールに取り付けて大量加工する際に使われます。
ピン角を面取りする理由

ピン角をきれいに仕上げるためには、面取りが欠かせません。
面取りとは、部品の角を削る処理全般のことです。
設計面や加工面、安全性などの理由からピン角のままにしておけない場合に
面取りが行われます。
ここでは、ピン角を面取りする理由についてご紹介します。
理由1:安全性を確保するため
部品を扱う際の安全性を確保するために、面取りを行うケースです。
切削加工で部品を製造した際、ピン角のままにしておくと作業者がケガをするケースがあります。
部品を扱う作業者のことを考え、設計側として面取り指示を出します。
理由2:部品の品質を保つため
面取りは、部品の品質を保つために行われることもあります。
部品を製造する際、切削加工や射出成形、鋳造、鍛造など、さまざまな方法が用いられます。
切削加工をした場合、加工した穴の角にバリが発生することが多いです。
また、射出成形の場合でもパーディングラインとなる境目にバリが発生するケースもあります。
パーティングラインとは、射出成形で使われる金型の型同士のつなぎ目のことです。
この部分にはよくバリが発生するため、対応が必要です。
バリを放置すると、組み立て作業の際に上手く部品が組み立てられない可能性が出てきます。
そのため面取りを行い、バリを除去することで、部品の寸法精度の維持や品質の確保が出来ます。
面取りの種類
面取りにはいくつかの種類があり、ここでは主な3つの面取りについてご紹介します。
C面取り
C面取りとは、ピン角を45度の角度で平面に面取りする方法のことです。
Cは「Chamfering」の略称で、「面を取る」という意味です。
図面上では、「C3」や「C5」などと表記されます。
これは、3mm、5mmの面取りを行うという指示です。
R面取り
R面取りは角を丸くする面取りです。
Rは「Radius(半径)」という意味を持っています。
図面上では、「R3」や「R5」と表記されており、
それぞれ3mmや5mmのR面取りを行うということです。
糸面取り
糸面取りは、小さい面取りを行うことです。
C0.1〜C0.2程度の面取りを行うという指示です。
C面取りやR面取りほどの面取りは不要だが、角が鋭利になりすぎてしまう時に行います。
糸面取りは、やすりを使って角を落とすのが一般的です。
図面上では、「指示無き角は糸面取りのこと」と指定されていることが多いです。
ピン角や面取りについて知ろう
ピン角は角の尖った部分のことを指します。
そのままだとシャープな印象を与えますが、安全性のために面取りを行い、
角を丸くすることもあります。
面取りを行う場合はさまざまな方法があるため、その場所に合わせて選択されます。
作業者の安全のため、内向きのピン角は設計段階からできるだけ回避するようにします。
多くの現場で使われていますので、ピン角や面取りについて理解を深めることをおすすめします。