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RC造の「鉄筋材の加工・組立」と「鉄筋のかぶり」。特徴を解説

RC造の建物では、「鉄筋材と加工・組立」「鉄筋のかぶり」についての知識が必要とされる場面が多くあります。
どのような場面で使われるのか、何に必要なのかなどを理解しておく必要があるでしょう。

本記事では、鉄筋材の加工や組立、鉄筋のかぶりについてご紹介します。

鉄筋材の加工・組立

ここでは、躯体工事を行う際の鉄筋材の加工・組立で使われる用語についてご紹介します。

曲げ加工
曲げ加工は、設計された図面通りに鉄筋を曲げる方法です。
鉄筋ベンダーや鉄筋自動曲げ機などを用いて、加工します。

柱主筋
柱主筋は、荷重を負担する主要な鉄筋です。
部材の軸方向に配置されるため、「軸方向筋」とも呼ばれます。

歩み板とキャップ
歩み板とは、鉄筋の上を歩くための板です。
その場で作業することもあるため、足場とも呼ばれます。
配筋された鉄筋の結束を痛めないために設置されます。
キャップは、杭打ちハンマーの打撃力を杭に均等に伝えるための鋼製部材です。

加工寸法の許容差
加工寸法の許容差とは「公差」とも呼ばれています。
光学において「許容される差」のことを指します。
できあがった製品・部際についての「許容される誤差を含んだ寸法幅」を意味しています。

フック
鉄筋にはフックをつけて付着力を高めることができます。
鉄筋は直線よりも折り曲げて定着させる方が有利になるとされています。

鉄筋のかぶり

鉄筋

鉄筋のかぶりとは、コンクリート面から鉄筋までの最小距離を指します。
コンクリートに鉄筋が配置されている場合、そこまでの最小距離が鉄筋のかぶりとなります。
もし、せん断補強筋の外に鉄筋が配置されている場合は、その鉄筋までの距離がかぶりになります。

鉄筋のかぶりは、スペーサーを使って確保します。
スペーサーは、鉄筋のかぶりを保持するものです。
かぶりの確保と作業中の配筋の乱れ防止のために用いられます。

必要な理由

鉄筋のかぶりは、鉄筋を保護するために必要となります。
鉄筋の材質は主に鋼で、雨や空気中に野ざらしにされると酸化を起こし、
鉄筋の表面に錆が発生してしまいます。
この錆は非常にもろく、鉄筋の必要な断面が欠損する可能性があります。

鉄筋を包み込むコンクリートはアルカリ性のため、中に埋め込んでいる鉄筋が酸化する恐れがなく、
鉄筋本来の力を発揮できます。
かぶりを確保することによって、鉄筋の酸化を防ぐことにつながるのです。
ただし、鉄筋のかぶりを取り過ぎると、鉄筋の効果が薄くなることが多いので注意が必要です。

そのため、適切なかぶり距離を確保する必要があります。

建築基準法との関係

鉄筋のかぶりは、建築基準法によってかぶり厚さが規定されています。

鉄筋コンクリート造

  • 間仕切り壁:2㎝
  • 耐力壁以外の壁:3㎝
  • 耐力壁、柱または梁:3㎝
  • 壁、柱、床、梁または布基礎の立ち上がり部分:4㎝
  • 基礎(布基礎の立ち上がり部分を除く):6㎝

鉄骨鉄筋コンクリート造

  • 鉄骨に対する数値:5㎝

最小かぶりは、鉄筋の品質を確保するための、最低限必要なかぶり厚さです。
建築現場では、最小かぶり厚さに10㎜を誤差として見込まれることが多いです。
このかぶり厚さは「設計かぶり」と呼ばれます。
また屋内と屋外でかぶり厚さが違う場面もあるので注意が必要です。

鉄筋材の加工について知ろう

RC像では鉄筋工事、型枠工事、設備工、コンクリート工事など、さまざまな工事が行われます。
特に鉄筋工事は専門用語などが多いため、混乱することも多いでしょう。
鉄筋のかぶりなどは、現場により厚さなどが異なるため注意が必要です。
鉄筋のかぶりは、鉄筋がさびないために必要ですので、覚えておくことをおすすめします。