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RC造のセメントと骨材。比率について知っておこう

工事に欠かせないセメントや骨材ですが、原料や容積について詳しく知っている人は多くないかもしれません。
本記事では、RC造の基本知識として知っておきたい「セメント・骨材」についてご紹介します。

セメント原料

セメントの主な原料は以下の通りです。

  • 石灰石
  • 粘土
  • 珪石
  • 石こう など

上記の材料を回転窯(ロータリーキルン)の中で1,500℃前後で焼き、
「クリンカー」と呼ばれる塊を作ります。
このクリンカーを粉砕して、最後に石こうを加えた粉末がセメントになります。
石こうはゆっくりと時間をかけて固めるために加えられます。

セメントの粒子と比重面積

セメントの粒子が細かいと、比表面積は大きくなります。
表面が凸凹しており、粒子が細かいほど比表面積が大きくなるといわれています。
比表面積とは、表面積÷質量のことです。
質量に比べた表面積で、1gなどの単位質量当たりの表面積(c㎡)のことを指します。

セメントと水が接する表面積が大きくなれば、
水とセメントが反応して固まる「水和反応」が活発になります。
セメントをなるべく細かく粉砕するのは、この水和反応を起こしやすくするためです。
セメント産業が「粉砕産業」といわれるのは、この作業があるためとされています。

コンクリート中のセメント容積

コンクリート中のセメント容積比は、約10%です。
セメント+水がセメントペーストとなり、
このセメントペーストで細骨材と粗骨材をくっつけたものがコンクリートです。
コンクリートは、生コン工場から運ばれることが多いです。

ただし、タイルなどを貼るために、現場でセメントを保管する場合もあります。
セメントは湿気を吸うと固まってしまうため、通風雨のない場所で床を上げて積んでから保管します。
また、下の方のセメントが硬くならないように、積み重ねる袋は10袋以下と定められています。

コンクリート中の骨材

セメントと骨材

ここでは、コンクリート中の骨材について容積比、コンクリートに骨材を入れる効果等をご紹介します。

容積比

コンクリートの中の骨材の絶対容積比は、約70%です。
そのうち細骨材は約30%、粗骨材は約40%です。
絶対容積とは、隙間や空隙を除いた真の容積になります。

コンクリートに骨材を入れる効果

骨材を入れる効果には以下が挙げられます。

水和熱を抑える
セメントの水和反応は熱を伴いますが、セメントの量が少ないほど熱は発生しません。

コストを抑える
セメントを作るには、石灰石を粉砕、焼成、さらに粉砕など手間がかかります。
さらに、湿気を吸わないように保管する必要があります。
一方で、砂利や砂などの骨材を作るためのコストや手間はさほどかかりません。
セメント量を抑えることで、コストを下げることにつながるのです。

乾燥収縮を抑える
骨材料を多くすると、コンクリートの乾燥収縮量は小さくなるとされています。
水セメント比の約65%のうち、水和反応に使われている水は約25%で
残りの約40%はコンクリートの中に残ったままになります。
この約40%の水がないと生コン全体に水が行きわたらないため、型枠の中に流れ込まなくなります。

そのため、施工上では必須の水になります。
この水分が施行後、数時間から数十年間にわたり蒸発し、
乾燥収縮することでひびわれを発生させるのです。
収縮しない骨材を多くすることで、乾燥収縮を抑えることにつながります。

セメントと骨材の比率について知っておこう

セメントはコンクリートを作るために欠かせない材料です。
骨材はコンクリートの中に入れることで、乾燥収縮量が変化します。
コンクリートの中の骨材の絶対容積比や骨材を入れる効果について、知っておくと便利です。