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土木技術と社会。日常生活にはどのように貢献している!?

日常生活の中では気づきにくいかもしれませんが、生活の場の多くは社会基盤の上に築かれています。
社会基盤とは交通施設、電気、水道、ガスなどのライフラインなど生活の中でも重要なものを指します。

本記事では、生活に関係する土木技術の基本と仕組みとして、土木技術の歴史、土木技術の役割、
土木技術と環境、土木が扱う工学技術などをご紹介します。

土木技術の歴史

土木技術は、古来より生活のための技術として活躍していました。
自然を相手としているため、その土地の気候風土や自然条件と密接に関係しています。
日本列島は、モンスーン地帯に属しており、台風、地震、交通量の多い急峻な地形、長い海岸線など
厳しい自然環境にさらされています。
そのため、日本では独自の土木技術が発達し、いかに自然と共存するか、
折り合いをつけるかといったことに主眼に置いたスタンスとなっています。

日本の土木技術遍歴

日本で最初の土木事業
日本の記録に残っている最初の土木事業は、河川の氾濫を防ぐために作られた堤防と
氾濫水を海へと排除するための堀の建設とされています。
これは、仁徳天皇が即位した323年、大阪・淀川の左岸にあたる茨田(まんだ)堤と
現在の天満川の建設といわれています。

古代
古墳の建設も土木事業にあたります。
3~7世紀ごろには、16万箇所以上の円や方形、多角形などさまざまな古墳が建設されます。
古墳は土を掘削し、輸送し、所定の高さまで築く一大プロジェクトだったようです。

中世
戦国時代は、土木技術の発展期とされています。
国力を維持するためには、洪水などから田畑を守ることが重要となります。
そのため、武田信玄の信玄堤、豊臣秀吉の太閤検地、徳川家康の江戸のまちづくりなど大きく発展しました。

近世
戦国時代が終わると、全国的に道路の整備が行われます。
1601年には東海道の宿駅、「伝馬の制」が設けられました。
1603年には江戸に日本橋が作られ、ここが全国へ伸びる全国の道路の起点となったのです。

近代
19世紀中ごろから、蒸気機関車による鉄道が敷設されます。
国内で最初の鉄道は、1872年に新橋〜横浜間で開通しました。
鉄道の橋がかかり、レンガや石造構造物を建造する近代技術が浸透します。
西欧の導入技術が急速に取り入れられ、多くの工事で実践されました。

土木技術の特徴と役割

土木技術

ここでは、土木技術の特徴と役割についてご紹介します。

土木技術の特徴

土木技術は自然が相手のため、やり直しが難しいのが特徴です。
たとえば、ダムを建設する場合は、大きな貯水量が確保できる地形や面積、
ダムの構造体を支えられる地盤条件など、さまざまな自然条件を読みとく必要があります。

また、不特定多数の人を対象にした社会基盤施設のための技術として進化しました。
土木技術の目的は公共の利益であり、ほとんどが公共事業で行われています。
設計や安全の基準も、一般性のある水準を確保する必要があります。

土木技術の役割

土木技術は、人々の生活を支える社会基盤を作り出す技術です。
人や物資の移動や輸送は、道路や鉄道などの交通施設、駅、駐車場などの関連施設が合ってこそ実現しています。

また、水、電気、ガスなどのエネルギー供給、生活排水や廃棄物の処理なども
処理施設などの社会基盤がなければ機能しません。
こうした人々の生活を指し、安全性や利便性を提供するための社会基盤施設をつくり、
機能を改善することが、土木技術の役割の一つとされています。

土木技術と環境

土木技術は人々の生活に、安全性や利便性を提供するために必要な技術です。
しかし、少なからず環境に影響が出ています。
土木学会が発行する「土木用語大辞典」によると、環境とは人間を取り巻くさまざまな外的条件であり、
狭義では人間を主体として人間に対して外から作用する生物的、社会的、文化的条件と考えられています。
環境は「自然環境」と「社会環境」に分けられます。

自然環境
自然環境は、大気、水、地盤、気象条件など自然条件や自然によって作り出されるものです。

社会環境
社会環境は人間のつり出した環境のことで、社会基盤や都市建設の整備などの物理的な側面と
行政機構や社会組織など制度的な側面を持っています。

都市環境の整備

WHO(世界保健機構)は、都市の環境整備の基本目標として、以下の4条件を挙げています。

  • 安全性
  • 保健性
  • 利便性
  • 快適性

これは、日本国憲法第25条で保障されている国民の健康で文化的な生活を営むために不可欠な生活面を含んでいます。
社会環境における課題の多くは、都市問題として現れています。
たとえば、都市部の人口密集による大気汚染や水質汚染、汚染水の排出、郊外などの環境問題を生み出しました。

ただし、これらの課題は快適性や利便性と不可分な領域もあります。
たとえば、自動車の増加やモータリゼーションによる課題は、
都市生活における快適性と利便性において切り離すことはできません。
また、高齢化に伴う社会の変化は、都市施設のバリアフリー化を促進しました。

土木が扱う工学技術

土木 工学技術

土木が扱う工学技術は、主に以下の7つに区分されるとしています。

構造

構造分野の中心が応用力学です。
構造物へ外力が作用した場合の挙動を解析・把握するための、分野となります。
また、鋼材を主材料とする構造物や地震工学、複雑構造、鉄筋コンクリート、
プレストレストコンクリートなどの構造部物の計画、設計、建設、維持補修なども含まれるとされます。

水理

水の運動を扱い、水路やダムなどで河川構造の水の影響や
波力の作業などによる防波堤などの影響を調べる技術分野です。
河川工学では、雨や雪が河川に集まり、海に流れ出るまでの過程や
過程において人々にあたる利益や被害などが含まれます。
また、発電水力、下水道、生活排水の処理、ゴミ施設、灌漑などもこの分野になります。

地盤

土構造物、斜面崩壊を扱う地盤工学や断層などを取り扱う岩盤力学、構造物基礎を扱う基礎工学、
耐震などが挙げられます。
地盤はあらゆる構造物の基礎となり、建築や農業、土木、知識の共通領域となります。

計画

インフラに関するハードやソフトの面などから、「まちづくり」に関する課題が取り扱われます。
土木分野以外にも、経済学や計量心理学などの領域が含まれるのが特徴です。
また、土木の伝統分野となる鉄道工学も、この分野になります。

コンクリート

コンクリートは、土木構造物の材料として、鋼と並び使用頻度が最も高いとされる材料です。
構造体に適用されるコンクリートと、舗装材としてのコンクリート適用もこの分野となります。

建設技術マネジメント

施行管理、品質管理、工程管理などの建設マネジメント技術や
地震や水害などの災害を防ぐための防災工学、インフラの資産管理技術なども含まれます。
また、ロボット化の研修や技術コンサルタントの在り方、
将来的な開発の方向性に関する地下空間研究なども該当します。

環境・エネルギー

伝統的分野の水質浄化、下水処理などの衛生工学、環境保全の課題、地球環境問題なども含まれる分野です。
さらに、原子力土木も含まれます。

社会生活に密着した土木技術を知ろう

土木技術は、人々の社会生活に密着した分野です。
生活に欠かせない社会基盤を作るために必須の分野であり、
人が快適かつ安全に暮らすために日々進歩しています。
また、土木が扱う工学技術には、さまざまな種類がありますので、知っておくことをおすすめします。

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