限定的ではありますが、木材は現在でも土木分野のインフラ材料として活躍しています。
長らく日本のインフラを支えてきた、インフラ材料です。
本記事ではインフラ材料として使用する木材や木材を使用するメリットについて解説します。
使用する木材
インフラ材料として使用される木材の主な種類は、針葉樹と広葉樹です。
針葉樹の特徴は、木質の繊維細胞が細長いため、まっすぐな材料が得られやすいことでしょう。
また国産では、以下のような針葉樹がインフラ材料として使われています。
外国産で使用されているのは、次などの針葉樹です。
一方、広葉樹の特徴は針葉樹よりも材質が硬いことです。
国産で使用されている広葉樹をご紹介します。
さらに、外国産で使われている広葉樹を見ていきましょう。
木材と合わせて日本の土木分野の伝統的な材料ともいえる竹材ですが、
伝統工法の1つである蛇篭(じゃかご)などに用いるために現在も使用されています。
木材を使用するメリット
インフラ材料として木材を使用するメリットは、以下の通りです。
- 地球温暖化の緩和効果
- 森林や木材の炭素貯蔵効果
- 材料製造時の化石燃料削減効果
- 地産地消効果
- 設計条件の制約が少ないことによるデザインの高い自由度
また、木材の魅力は軽量にもかかわらず、コンクリートと同等の強度を備えています。
さらに、比強度は鋼材に匹敵するほどです。
木材使用のデメリットでもある乾燥収縮による割れや反りは、
含水率が15%程度の木材を加工して利用すれば避けられる可能性が高いです。
加えて、乾燥剤を利用すれば、剤内部への水の浸入を予防する効果も期待できます。
現在のインフラ材料として、実際に以下のような木材が使用されます。
インフラ材料として木材を使用する将来的な展望として、
次のような経過をたどるカスケード利用なども期待できます。
- インフラ材料として木材を使用する
- 1度使用した材料を、再利用時の材料の強度でも問題なく使える他の現場で使う
- 現場使用ができなくなった木材を最終的にエネルギーとして利用する
また、液状化対策に木材を地中で使用するための研究が現在も進んでいます。
インフラ材料としての「木材」について知っておこう
インフラ材料として使用されている木材を大別すると、針葉樹と広葉樹の2種です。
針葉樹と広葉樹それぞれに属する木材の種類は、国産から外国産まで多岐にわたります。
また、インフラ材料として木材を使う大きなメリットは、地球温暖化の緩和効果であることを覚えておきましょう。