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配管の支持方法。防食についての基本と併せて解説

配管は多くの設備工事で必要となるもので、基本の支持方法や防食について知っておく必要があります。
本記事では、設備施工管理に関係する「配管」の支持方法、防食についてご紹介します。

配管の支持

配管の支持は、配管内容物を含めて配管の荷重を支えるために行います。
外部からの振動や衝撃、伸縮に対応し、配管自身の勾配を維持し、
管のたわみを防止する目的で設置されます。
支持の間隔や勾配の基準、金物の種類などには以下が挙げられます。

支持間隔の基準

以下のように基準が定められています。

〈吊り支持〉

鋼管・ステンレス鋼管

  • 呼び径100まで:2.0m以下
  • 呼び径125~300:3.0m以下

ビニル管、耐火二層管、ポリエチレン管

  • 呼び径80まで:1.0m以下
  • 呼び径100~300:2.0m以下

銅管

  • 呼び径80まで:1.0m以下
  • 呼び径100~300:2.0m以下

鋳鉄管

  • 継手含む2m以下

鉛管

  • 1.5m以下

勾配

配管の勾配は、水抜きや空気抜きが簡単にできます。
給水や給湯管では、上向き供給をする場合は先上り、下向きでは先下りにします。
また給湯返り管は、先下り、消化、冷却水、冷温水、通気管は先上りにしましょう。
屋内の横走り排水管の勾配は、国交省、空気調和・衛生工学会企画などで基準が異なるため注意が必要です。

配管の防食

金属管の腐食は、イオンの溶出や電子の移動を伴う電池作用の発生が原因のことが多いです。
また、潰食(かいしょく)と呼ばれる、高速で移動する管内の気泡の衝突における腐食も考えられます。

埋没間の防食には、主に以下の方法が挙げられます。

土中埋設管の防食

異なる性質の土壌をまたがる場合や、土中や鉄筋コンクリート造に引き込む際に鉄筋に接触した場合には
アソート(陽極部)とカソード(陰極部)に腐食電池が形成されます。
土壌が大きさを持っていて巨視的な電池「マクロセル」となるため、
陰極部の腐食はマクロセル腐食と呼ばれます。

これを防ぐためには、土中埋設する際に鋼管に防食テープを巻きます。
防食テープには、ペトロラタム系とブチルゴム系があり、隙間ができないように1/2重ね巻きを行います。
また、土中などの電解質中にイオン化傾向の大きい金属を接続し、
防食電流を流す「電気防食」という方法もあります。

コンクリート埋設管の防食

土中と同様の防食を施すと同時に、配管の熱伸縮による応力集中を避ける必要があります。
暑さ10㎜程度の吸水率の低い独立気泡の高発泡断熱材などを巻きましょう。

配管の支持と防食について知ろう

配管の支持や防食は、設備工事をする上で大切な知識です。
設備施工管理職の方は、基本をおさえておきましょう。