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設備施工管理において重要な保温。知っておきたい保温剤

保温は、空気や水の温度を保つために必要です。
さらにダクトや配管、または機器の表面温度と周囲の空気の温度差により、
結露が発生しないためにも必要とされています。

本記事では、設備施工管理に関係する「保温」「塗装の施工」について紹介します。

保温をする目的

空調給気ダクト、冷温水管、給湯管は、空気や冷温水の温度差を防ぐために、保温工事が行われます。
また、給水菅、排水管、外気取り入れダクトは、表面に結露が生じないよう防露工事などが行われます。
そして、排煙ダクトや暖房排気ダクトなど、流体温度が高いものは
周囲に熱的影響を与えないよう、断熱工事が行われます。

保温が必要となる場所

保温が必要になる場所は、温度差により水温や空気温度に影響を与えたり結露を生じさせたりと、
流体温度が高く周囲の可燃性の材料に影響を及ぼすところです。
たとえば、建物内露出部、天井内隠ぺい部、機械室内、屋外露出部に設置される配管ダクトなどが挙げられます。

保温剤の種類

保温剤の種類と特徴には、以下が挙げられます。
それぞれ、使用温度条件、湿度適正、防湿性、耐炎性が異なるので、使用用途によって使い分ける必要があります。

ロックウール保温材
目安となる使用温度上限は600℃で、常温や高温の場所に用いられます。
また、耐炎性にも優れています。

グラスウール保温材
目安となる使用温度上限は350℃です。
常温の場所での使用に最適です。

A種ビーズ法ポリスチレンフォーム保温材
目安となる使用温度上限は、保温板が80℃、保温筒が70℃です。
低温や常温の場所に適しており、防湿性に優れています。

ダクトと配管の保温

ここでは、ダクトと配管の保温についてご紹介します。

ダクトの保温

ダクトの保温は施工場所によって異なります。

機械室、書庫、倉庫、屋内隠ぺい、ダクトシャフト内
鋲(必要な場合)、ALRBまたはALGB、ALテープ(重ね幅30㎜)などが必要

屋内露出(一般居室、廊下)
鋲、RBまたはGB、カラー亜鉛鉄板(厚さ0.35㎜)などが必要

屋外露出(バルコニー、開放廊下などを含む)
鋲、RBまたはGB、ポリエチレンフィルム、鉄線(必要によって鋼枠)、ステンレス鋼板などが必要

配管の保温

配管の保温も施工場所によって異なります。

A1およびa1、屋外露出(一般居室、廊下)
RまたはG保温筒、鉄線、ポリエチレンフィルム、合成樹脂カバー

Bおよび機械室、倉庫、書庫
RまたはG保温筒、鉄線、ポリエチレンフィルム、原紙、アルミガラスクロステープ

天井内、パイプシャフト内および空隙壁中
RまたはG保温筒、鉄線、ポリエチレンフィルム、アルミガラスクロステープ

ダクト・配管に行う塗装

ダクト・配管に行う塗装は、機器の防食や保護および彩色、
美観または特殊な性能を与えるために行われます。
しかし、近年ではダクト・配管の保温材の保護剤には、
樹脂系カバーやアルミガラスクロステープ、ステンレスカラー鉄板などが使用されることから、
保温が施されていない配管やダクトの防錆処理としての舗装が主目的となっています。
塗装が必要なので、防錆処理が施されていない、配管用炭素鋼鋼管や黒管の支持鋼材などが挙げられます。
また、配管の用途を区別するために色分けすることもあります。

塗料の種類

塗料には、以下の種類があります。

  • 素地ごしらえ用塗料
  • 下塗り用塗料
  • 中塗りおよび上塗り用塗料
  • 防錆塗料

設備施工管理に関連する保温について知ろう

空気や水の温度を保つための保温は、ダクトや配管などの表面温度と周囲空気の温度差によって結露を生じさせないためにも必要なことです。
保温材などによる保温のほか、塗装による保温などもありますので、基本的なことについては知っておきましょう。