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ダクト・配管・設備機器の防振と防音。それぞれの対策を解説

ダクトや配管、設備機器などは、吹き出し口による風切り音や振動音などが気になるケースもあります。
これらの振動や騒音は、補強や防振材などを吊るすことで防止することが可能です。
減衰するためには、それぞれの設備や機器に合った方法を選ばなくてはいけません。

本記事では、ダクトの防振と防音、配管の防振と防音、機器・器具の防振と防音についてご紹介します。

【ダクト】防振と防音

ダクトは振動して伝わる固体音や空気の振動によって共鳴し、音が発生してしまうケースがあります。
振動や騒音を防振する方法には、ダクトの補強や防振材を吊るす方法や
ダクトやチャンバーの内側に吸音材などを貼る方法などがあります。

ダクトの防振
ダクトの振動を防止するためには、「リブ補強」「形鋼補強」などが挙げられます。
また、振動の伝搬を防止するためには、吊りボルトや形鋼を使用します。
吊りボルトの中間に防振金具を取り付けることで、躯体への伝搬を防止できます。

防音・消音の方法

ダクトの消音と防音方法は以下の通りです。

ダクト内貼り
ダクトの内側に吸音材を貼ります。
内貼り吸音材として、グラスウール32K板厚500㎜などが使用されます。
サイズが小さくなるほど、減衰量が大きくなるのが特徴です。

スプリッタ型、セル型サイレンサー
吸音材や吸音板を貼った仕切りなどで表面積を大きくすることで、消音効果を得たタイプです。

共鳴型サイレンサー
二重構造の消音機です。
内側のダクト周壁に孔が設けられており、特定の周波数成分を減衰できます。

消音エルボ
エルボの内側に吸音材を貼ることで、吸音とエルボによる音の反射による減衰効果を利用できます。
比較的大きな消音効果を得られるのが特徴です。

消音チャンバー、消音BOX
ダクトチャンバーやボックスに吸音材を内貼りすることで、消音効果を得られるのが特徴です。
高い周波数に効果がありますが、低い周波数は効果がありません。

遮音ダクト
機械室など、騒音が大きい空間に使われます。
ダクト鉄板の外側に吸音用のグラスウールや遮音シート、ダクト外装などで施工します。

【配管】防振と防音

配管の振動や騒音は、冷凍機やポンプなどから発生するものがあります。
さらに、配管内を通過する流体などによって、継手で振動が発生する可能性も考えられます。
振動や騒音を防ぐには、配管の支持部や貫通部の防振が必要です。

配管の防振吊り
機器の振動や配管自体の振動を躯体に伝搬させないために、「配管の防振吊り」という方法があります。
防振金具を取り付け、天井から支持する吊りボルトを下げます。
防振金物は強く締め付けず、ダブルナットで固定されるのが特徴です。

配管の防振振れ止め
防振振りを行う場合、梁などに耐震振れ止めを設置します。
耐震振止めは、防振ゴムを貼りなどの支持形鋼と配管指示用の形鋼の間に設置し、
振動が梁などの躯体に伝わらないようにする必要があります。

排水騒音の対策

寝室などの居室に隣接している場合、パイプシャフトなどの騒音対策が必要です。
対策としては、配管の外側に鉛板などの遮音材を巻く方法などがあります。
吸音用のロックウール、遮音シート、配管外装などで施工しましょう。
また、配管を固定している躯体から伝わる固定伝搬音は、防振加工をすることにより振動を防止できます。

【設備機器】防振と防音

設備機器

設備機器で発生している振動や騒音は、振動や騒音そのものを減らす方法と
伝搬を防いで減衰もしくは遮音をする方法があります。

ポンプの防振支持例
ポンプの振動を直接構造体に伝えないためには、防振ゴムを使用します。
また、防振ゴムを用いた架台を使い、可とう管継手(フレキシブル継手)を使用します。
サクション側配管の立ち上げ部まで、防振架台の上で支持をします。
上記が難しい場合は、配管立ち上げ部で継手から独立した防振支持を取る必要があります。

送風機の防振支持例
金属コイルばね(スプリング防振)を使用した架台で振動を直接使用しないために、
たわみ継手(キャンバス継手)などが使用されます。
たわみ継手には、十分なたるみを持たせておきます。

屋外騒音の対策

屋外での騒音を防止するには、屋外機の防音などを行います。
機器自体を低騒音型として騒音を低減し、防音カバー、消音装置などの防音装置や遮音塀等を配置します。
屋外に設置された冷却塔や空冷チラーは、塀を設置することで直接遮音する方法が多用されます。
特に周波数が高い音の場合、減衰量が大きくなります。

ダクト・配管・設備機器の防振・防音について知ろう

不快な振動や騒音を防止するには、適した防振・防音対策を施す必要があります。
ダクトや配管、設備機器によって、それぞれ適した防振・防音方法が異なりますので、
それぞれの方法について知っておきましょう。