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給水設備の特徴を解説。貯水槽の設置方法と給水ポンプの種類

給水設備とは、建物内で使用する水を供給するための設備です。
一般的には、水道水を水道管から引き込んで、水の使用箇所に給水します。
必要な量の水を必要とされる圧力で、衛生的で安全に供給しなくてはいけません。

本記事では、給水設備の知識として、飲料水貯水槽、給水ポンプについてご紹介します。

飲料水貯水槽の設置

飲料水貯水槽は、外部からの汚染防止と保守点検のため、国土交通省によって設置位置や構造などの基準が定められています。
飲料水貯水槽は、外部からの有害物質が入らないように床上に独立して設置します。
また、保守点検がしやすいように、水槽の周囲6面に必要な点検スペースの確保が必要です。

設置の際の注意点

飲料水貯水槽内部は、飲料水以外の配管を設けてしまうと菅の腐食などによる漏水が起こった場合、飲料水を汚染する可能性があります。
そのため、飲料水以外の配管は通さないようにします。
飲料水貯水槽の上部にポンプ、ボイラー、空気調和機などの機器の設置はできるだけ避けましょう。
やむを得ない理由で設置しなければいけない場合は、飲料水貯水槽が汚染されないように排水受け皿や二重スラブを設ける必要があります。

水槽周りの配管

飲料水貯水槽は、完全に密閉されていないため、外部からの汚染を完全に防止できないとされています。
そのため、水槽内の水が汚染されないように注意しなくてはいけません。
槽への給水管の流入口端とオーバーフロー菅の間には、有効な吐水口空間を確保しなくてはいけません。
また、衛生上有害なものが入らないような構造のオーバーフロー管と通気管を設けます。

給水ポンプの種類

主に、給水ポンプは「高置水槽方式」「ポンプ直送方式」「水道直結増圧給水方式」に分けられます。
ここでは、それぞれの特徴や制御方法などをご紹介します。

高置水槽方式

高置水槽方式は、まず水道水を受水槽に貯留します。
そして、揚水ポンプによって屋上に設置された高置水槽に揚水し、各所に給水する方式を指します。
高置水槽への給水は、槽内に設置した電極棒で水位を測り、ポンプの発停を制御して行われています。
各階で水が使用され、水槽内の水位が所定のポンプ運転水位まで下がると揚水ポンプが起動して揚水が開始されます。
それからポンプ停止水位まで上昇すると、ポンプが停止します。
これを繰り返して給水が行われるのです。

ポンプ直送方式

ポンプ直送方式は、水道水を受水槽に貯め、直送ポンプによって必要箇所に加圧給水する方式を指します。
直送ポンプは圧力検知装置によって起動します。
ポンプの制御方法には、回転数をインバータ制御によって可変させて給水流量を制御する方法と、複数に分かれて設置されたポンプの同時運転台数を可変させて制御する方法などがあります。
また、瞬時に使用流量の変動に対して吐出し量を追随させるために、ポンプの回転数を制御する方法もあります。

水道直結増圧給水方式

水道直結増圧給水方式は、水道引き込み管に増圧ポンプを直接接続して加圧し給水する方法です。
簡易専門水道に該当しない10㎥以下の小規模受水槽で、非衛生になりがちな受水槽の設置を抑止する方法として開発されました。
水道管に増圧ポンプを直結することで、水道本管の水圧が利用可能です。
受水槽が不要なため衛生的ですが、水道本管が負圧になった場合、建物側の水が水道本管に逆流しないために逆流防止装置をポンプ吸い込み側に設置しなくてはいけません。

給水設備の特徴について知ろう

給水設備は、建物内で使用する水を供給するために欠かせない設備です。
設置に関してはさまざまな要件が定められているので、知識として知っておきましょう。