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インフラを作る材料の1つ「瀝青材」。アスファルトとの関係

瀝青材とは、インフラである道路を作る際に用いられる材料の1つです。
瀝青材はどのような物質であり、どのような性質をもつものなのでしょうか。
また、瀝青材とアスファルトはどのような関係にあるのでしょうか。

本記事では、瀝青材とアスファルトの関係について解説します。

瀝青材(れきせいざい)とは

瀝青材とは炭化水素類の総称であり、歴青と書かれることもあります。
二酸化硫黄に溶ける性質があり、常温では固体または半固体の状態となっています。
色は、黒色や暗褐色で粘り気があるのが特徴で、加熱すると徐々に液体になる性質があります。
瀝青材は原油を精製したあとに残った残留物で、道路の舗装に用いられるアスファルトやコールタール、ピッチなどが瀝青材にあたります。
日本の多くの道路には、瀝青材の1つであるアスファルトが使用されています。

アスファルトの種類と作り方

アスファルトは、原油を精製する過程で作られるものです。
原油を精製する際には、ガソリンや灯油など、揮発性の軽油類が先に抽出されます。
その後、粘り気のある液状の重油が抽出され、最後に残るのがアスファルトです。

アスファルトは、生成方法の違いによって次のような種類があります。

  • ストレート・アスファルト
  • カットバック・アスファルト
  • アスファルト乳剤
  • ブローン・アスファルト

ストレート・アスファルトは、蒸留法によって重油抽出後に残った残渣物です。
カットバック・アスファルトは、ストレート・アスファルトに揮発性の石油を混ぜて液体状にしたもので、
舗装用アスファルトに用いられます。
アスファルト乳剤も舗装用に用いられる材料で、
乳化剤が含まれた液体の中にアスファルトを微粒子上に分散させ、乳化させることで生成するものです。
ブローン・アスファルトは、ストレート・アスファルトに空気を吹き込むことで作成します。
弾力があり、硬い性質から主に目地材などに使用されます。

アスファルトの硬さと舗装

アスファルト

アスファルトの硬さは、針入度という単位で示されます。
針入度は、アスファルトの用途を決める際に大きな役割を果たしています。
また舗装に用いるアスファルトは、日本道路協会によって硬さの規格が定められています。

アスファルトの硬さ

アスファルトの硬さは、規定の形状と寸法の針をアスファルトの試料に垂直に突き刺すことで計測します。
このとき、アスファルト試料の温度は25度、針にかける荷重は0.98N(100gf)、
押し付ける時間は5秒間と定められています。
柔らかいアスファルトほど、針は深く入り、1/10mmの貫入を針入度1で表します。
舗装用として用いられるアスファルトの硬さは、針入度が40~120のもので
針入度60~80のものが舗装用アスファルトの主流となっています。

アスファルト舗装

アスファルト舗装には、アスファルトに粗骨材、細骨材、フィーラーなどを混ぜた加熱アスファルト混合物が用いられます。
アスファルト舗装は、一般的に路床上に路盤、基層、表層の順に重ねて構築されます。
路盤をプライムコートでコーティングをして基層・表層にアスファルト混合物を重ね、
最後にタックコートを施して、アスファルト舗装は完成します。
表層は車の荷重を分散して、交通の安全性と快適性を保つ効果があり、
基層は路盤を整えて表層にかかる荷重を均一に路盤に伝える役割があります。

道路の舗装材であるアスファルトは瀝青材の1つ

瀝青材とは、原油を精製する際に残る残渣物のことで、アスファルトは瀝青材の1つです。
アスファルトは硬さによって用途が異なり、針入度という単位で硬さが示されます。
道路の舗装用アスファルトは、針入度が40~120になることを覚えておきましょう。