エラスタイトは、コンクリートの目地材の一種です。
施行で使用する目地材にはさまざまな種類があるため、「エラスタイトはどういった場面で使用するのか」知りたい方も多いのではないでしょうか。
本記事では、エラスタイトの概要や使用用途、メリット・デメリット、ケンタイトとの違いなどをご紹介します。
エラスタイトとは
エラスタイトとは伸縮する板のことで、コンクリートのひび割れを防止するために使われます。
コンクリートは目に見えないくらいの変化ですが、大きくなったり小さくなったりします。
そのコンクリートの間にエラスタイトを挟むことで、コンクリート間の距離感を調整してくれます。
また、コンクリート同士に隙間がなかった場合にも使用されます。
隙間がなかった場合にも使われる
コンクリート同士の距離がゼロ距離だと、コンクリートが膨張した際にぶつかってしまいひび割れや乖離の原因になります。
エラスタイトなどの目地材には伸縮性があるため、コンクリートが膨張すると目地材は縮み、収縮すると目地材は大きくなります。
そうすることでコンクリートの伸縮をカバーし、ひび割れなどを防いでくれるとされています。
エラスタイトが使用される場所
エラスタイトなどの目地材は、主にコンクリートとコンクリートの間に隙間がある時に使用されます。
以下のような場所で使用されることが多いです。
護岸
コンクリートで作られた護岸ブロックに使用されます。
河川にはコンクリート製の護岸ブロックが敷き詰められることがあり、コンクリートの板同士を繋ぐ役割を果たしています。
ダム
主にコンクリートを主原料とするコンクリートダムでエラスタイトが用いられます。
コンクリート同士の伸縮に余裕を持たせ、ひび割れなどを予防します。
貯水池
コンクリートで構築された貯水池などに使用されることもあります。
コンクリート構造物の中に水を貯める構造となっているため、コンクリートが伸縮してひび割れないために使用されています。
水路
水路はコンクリート素材を繋げて作られているため、温度差によってコンクリートが収縮した場合ひび割れが発生しやすいといわれています。
そのため、数mに1カ所程度の間隔でエラスタイトが使用されることが多いです。
エラスタイトのメリット・デメリット
ここでは、エラスタイトの主なメリットとデメリットをご紹介します。
エラスタイトのメリット
エラスタイトは、アスファルトなどで作られた厚み1㎝程度の製品です。
自由な形状に切断することができるため、さまざまな建築現場で使用されています。
また、非常に耐久性が高いのが特長です。
素材の70%以上がアスファルトで構成されており、そこに合成繊維や天然繊維などを配合しています。
そのため、アスファルトがもともと持っている防水性に加え、耐久性にも優れています。
さらに、耐腐食性も備えているのが特長です。
エラスタイトのデメリット
エラスタイトは復元性が乏しいのがデメリットです。
一度、コンクリートの膨張によって圧縮されると元に戻らず表面が盛り上がる場合もあります。
また熱に弱いため、暑い時期には持ち運びが難しくなります。
ケンタイトとの違い
ケンタイトは、エラスタイトのデメリットを克服した商品として開発されました。
エラスタイトは伸縮によって位置が変わったり、表面が盛り上がったりする弱点がありました。
しかし、ケンタイトは復元性が高いため、伸縮によって位置が変わりません。
さらにエラスタイトよりもやわらかいため、施工性も良いといわれています。
コンクリートのひび割れを防ぐ目地材
エラスタイトは、コンクリートの間に入れることでコンクリートのひび割れなどを防いでくれる目地材の一種です。
耐久性が高く、耐腐食性も備えているため主に水場で多く使用されています。
建設業で働きたい方は、エラスタイトの特徴や使用用途などについて覚えておいてはいかがでしょうか。