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設備工事会社のBIMの活用例。知っておきたいポイント

BIMは設備工事会社が抱える課題を解決し、競争力を強化するための重要なツールになると考えられています。
具体的に、どのような事例に活用されているのでしょうか。

本記事では、「設備工事会社」から見たBIMの活用方法と活用例についてご紹介します。

設備工事会社から見たBIM

設備工事会社では、BIMを活用することで手戻り作業を利益に変えることができます。
設備工事は躯体工事と内装工事の間の短い期間に行う必要があるため、現場で調整する作業も多くありました。
そのため、手戻り率は約3割になるともいわれています。

BIMを利用すれば、工事に入る前に現場の状況をモデル化できます。
躯体などとの干渉部分が明らかになるので、資材の搬入や施工手順を計画することもできるでしょう。

また、取付時のシミュレーションや搬入スケジュール管理なども可能です。
その結果、手戻り工事の無駄をなくし、利益に変えることもできるようになります。

工期の短縮化

設備工事をBIMで計画することは、工期の短縮にもつながります。
BIMで管理すれば、「現場合わせ」をする必要はほとんどなくなり、配管やダクトなどの部材を工場でプレハブ化することができます。
工事の着工前から工場で部材を制作し、事前の計画通りに搬入し、現場で手順通り組み立てるだけで済むため、現場での作業量を大幅に減らすことが可能です。
工期を大幅に短縮でき、作業の手戻りなどもほとんど発生しません。
さらに、ポンプやバイルなどの部材をある程度まとまって組み立てておくことで、現場での作業をさらに軽減できます。

BIMモデルで改修工事を行う

BIMモデルで設計された通りに工事を行うことで、後の内装工事や天井板や床材などが張っても、その裏にどのような配管やダクトが通っているのかが分かるようになります。
そのため、改修工事の際に壁や天井をはがさなくても、設備の位置を正確に把握できます。
工事見積もりの精度を高めるだけでなく、現場合わせの工事も少なくなるので、コスト削減にもつながるでしょう。

さらに、ビルエネルギー管理システムやスマートグリッドなど、ほかのシステムとBIMモデルを連動させたシステムの活用も進んでいくと考えられます。
このため、今後は日々の維持管理作業でも使用されるようになるでしょう。

設備工事会社の具体的なBIM活用例

設備工事会社大手の企業では、3Dモデリングや環境解析などでBIMソフトを活用しています。
施主のほか、設計会社や建設会社、専門工事会社などの関係者と、BIMを使って初期段階から協業することができます。
また、着工と同時に各社のBIM担当者が参加する「BIM分科会」を結成し、BIMに関する意思決定やBIM運用のルールや方針、ガイドラインの策定などが行われたそうです。

仮想引き渡しで課題を解決

上述の工事では、工事着手前に策定した「BIM実施計画書」に基づき、実物の建物ができる前にBIMモデルを施主に引き渡す「仮想引き渡し」が2回行われました。

1回目では、機器の配置や収まりを調整し、空間的な整合性を完了時に行いました。
すると、100件近くの課題が明確化したそうです。

2回目は「仮想竣工BIM」完了時に実施されました。
維持管理業務での活用性が検討されたことで、これらの課題は竣工前に解決したそうです。

設備工事会社でもBIMは活用されている

設備工事会社でもBIMを活用して、建物の構造や設備をより詳細に検討し、品質の向上を図っています。
さらに、手戻しがほとんどなくなったことで、利益も出るようになりました。
設備工事会社のBIM活用について、今後も注目していきましょう。