業界動向2023年10月13日

プラント建設・設備のデジタル化に向けて。日本経営の問題点と解決方法を考えよう

近年、プラント建設や設備投資の面においてもデジタル化が進んでいます。
では具体的に、どのように取り入れられているのでしょうか。

本記事では、日本型経営の問題点、日本の製品群/生産設備の問題点、解決していくために必要なことなどをご紹介します。

日本の経営が改善していくべき点

日本企業の経営方針には、いくつか改善すべき点があるとされています。
その1つが、ボトムアップ型組織の顧客至上主義です。
行き過ぎた顧客至上主義は、企業経営や労働者の人権上において問題があるとされています。
それは、担当者レベルで顧客の要求を満たすことと企業全体の利益を最大化することには、整合性が取れない部分もあると考えられているためです。

日本の製品・生産設備

日本企業の持つ商品には、多くの問題と特徴があるとされています。
日本製品は多くの機能が搭載されていることも多いですが、ユーザー側から見ると操作が複雑に感じることもあります。

また、日本企業の商品数は多過ぎると考えられています。
日本企業の多くは、ノルマの売上高を決めていることが多いため、現場の営業は売上だけを考えてしまい、細かな顧客のニーズを拾うことで、受注案件を積み上げていきます。
顧客の要求を満足させるために、新しい商品がどんどん増えてしまいます。

解決していくために必要なこと

日本の経営方針や製品、生産設備の問題を解決するためには、デジタルトランスフォーメーションによる経営の革新やITによる生産技術の革新などが求められています。
たとえば、プラントなどは設備の高経年化と労働力不足などの構造的問題に直面しています。
一方で、AIやドローンなどの新技術が発展しています。
そのため、新技術を活用して保安を変革する「スマート保安」などが実行されています。

AI導入の意義

スマート保安技術の中でも、活用が期待されているのが「AI」です。
これまで、保全員が現場で異常を確認していましたが、ドローンやセンサーに置き換わりつつあります。
また、データに基づいてAIが異常の有無などを判断できれば、さまざまな効果が期待できます。
より高頻度でリアルタイムに設備の状態を把握できれば、点検の適格性や効率の向上が可能です。
さらに、AIの判断を活用することで、保全員の負荷を低減できます。

出典：石油コンビナート等災害防止3省連絡会議(経済産業省、厚生労働省、総務省、消防庁)「プラントにおける先進的AI事例集」