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土壌汚染の建築物への影響。対策として使用される浄化技術とは!?

近年では、工場が閉鎖された跡地にビルやマンションを建設する際に、土壌汚染が発覚するケースが増えています。
土壌汚染が見つかった場合、どのような対策がなされているのでしょうか。

本記事では、土壌汚染問題と対策についてご紹介します。

土壌汚染の問題

近年で有名な土壌汚染として挙げられるのが、豊洲新市場です。
豊洲新市場の予定地は、1956年から1988年まで都市ガスが製造されていました。
石炭から都市ガスを製造する過程で生成された副産物により、土壌汚染が起きたとされています。
ヒ素、水銀、六価クロム、カドミウム、ベンゼン、シアン化合物などによる、土壌と地下水の汚染が確認されました。

こうした土壌汚染問題は、かつては珍しいものではありませんでした。
工場の敷地内に廃棄物が埋められたり、重金属類を含む溶液が地下に染み込んだりしました。
重金属による土壌汚染は物質が比較的移動しにくく、表層付近まで汚染されていることも多くありました。
近年では有害物質が人体や生態系に及ぼす影響が判明し、人々の関心が集まったため、問題として顕在化したと考えられています。

出典:環境省 水・大気環境局「平成 30 年度 土壌汚染対策法の施行状況及び土壌汚染調査・対策事例等に関する調査結果
出典:環境省 水・大気環境局 土壌環境課「汚染土壌の処理業に関するガイドライン(改訂第4版)

土壌汚染の対策

土壌汚染の対策として行われているのが、浄化と封じ込めです。
土壌汚染による環境リスクの大きさは、有害な物質でどれだけ汚染されているか、どのくらい汚染された土壌が接しているかにより決定します

浄化

浄化は、汚染除去を行い基準以下にする方法です。
揮発性有機化合物で汚染されている場合、土壌中の空隙にあるガスを強制的に地上に吸引して除去する方法と、汚染地下水をくみ上げて浄化装置で除去した後に地中に戻す方法があります。

封じ込め

封じ込めは有害物質に触れないよう汚染された土をコンクリート壁で囲ったり、固化したりする方法です。
さらに、汚染土壌を一旦掘削して処理する方法と土壌を移動せずにその場で処理する方法に分けられます。
浄化分野は、年間1,000億円の売場規模があるとされており、ゼネコン、エンジニアリング会社、地質調査会社などが参入しています。

出典:環境省 水・大気環境局「平成 30 年度 土壌汚染対策法の施行状況及び土壌汚染調査・対策事例等に関する調査結果
出典:環境省 水・大気環境局 土壌環境課「汚染土壌の処理業に関するガイドライン(改訂第4版)

土壌汚染の対策を知ろう

土壌汚染問題は、有害物質が人体や生態系に与える影響が問題となったことから、近年注目されています。
土壌汚染の対策には、浄化や封じ込めなどの方法があり、さまざまな会社が参入しています。
これからも注目される分野といえるでしょう。