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スラリーを使用する建設現場。特徴をおさえよう!

スラリーはさまざまな土木・建築工事で使われる材料です。
地盤の安定や耐震・耐火性能を高めることに役立ちます。
現場で使用されることの多い材料のため、特徴や使用する場面について知っておきましょう。

本記事では、スラリーの概要や特徴、使用する現場をご紹介します。

スラリーとは

スラリーとは、フライアッシュにセメントなどを入れた「泥状の物質」のことをいいます。
流動性のある液体状のもので、充填埋め戻し作業などによく使われます。

セメントスラリー

建設業においてよく使用されるのが「セメントスラリー」と呼ばれるスラリーです。
セメントと水を混合したもので、ケーシングの支持や地下で水の移動を防止する際などに用いられます。
また、セメントスラリーと他の材料を数種類混ぜて施工することもあります。

スラリーの特徴

スラリーには、以下のようなさまざまな特徴があります。

流動性に優れている

スラリーは流動性が高いため、締固めが不要です。
そのため、狭く複雑な形の場所での充填埋め戻しに適しています。
さらに仕上げ施工も不要です。

セルフレベリング性を持っている

セルフレベリングとは、自動的に広がって落ち着く性質のことを指します。
スラリーはこのセルフレベリング性を持っているため、表面をコテで均す必要がありません。

自己充填性がある

スラリーは自己充填性に優れており、材料を流し込むだけであらゆる隙間に入り込みます。
空洞を残さず充填する特徴があるため、細かい部分に使用する際に使われることが多いです。
また硬化後に高い強度を発揮します。

スラリーを使用する現場

土木工事

スラリーは主に以下のような現場で使用されます。

建築工事

基礎部分周辺の埋め戻しや空洞部の充填などに用いられます。
建造物を構築する際には、さまざまな材料を組み合わせ、狭い場所などにスラリーを使うことが多いです。
流動性に優れているため、どんな場所でも簡単に入り込めます。

湾港工事

護岸背面の液状化防止や埋め戻しなどに用いられます。
施工場所に海水が混ざることも多いですが、スラリーは元々液体に近い材料なので、水分量を調整することで簡単に地盤を固化できます。

トンネル工事

空洞部の充填などに用いられます。
トンネル裏の空洞にスラリーを充填することで、経年劣化で隙間ができることを防止できます。
流動性や自己充填性に優れたスラリーは、機械で掘削された凸凹した隙間にも隙間なく充填できます。
また耐震強化にもなるとされています。

上下水道工事

埋設管の埋め戻し用などに用いられます。
地下に上下水道菅を埋設する際には、一度固い地盤を掘り返すため、どうしてもゆるくなってしまいます。
そのため単に土を埋め戻しただけでは、陥没の原因となることもあります。
そこでスラリーを水道管の周りに充填し、かっちり固めることで陥没を防ぐことにつながります。

宅地造成

造成地の盛土用などに用いられます。
低い土地に土を盛り平地を作った場合、地盤の強度が不安視されます。
そこでスラリーを用いて盛土を強固にすれば、住宅を作っても沈下の心配がなくなります。

地盤改良

軟弱地面と呼ばれる地面にスラリーを混合する工事です。
専用の機械を用いて地下にスラリーを充填することで、地盤を安定化させます。
強度を高めることで、上に建築物が建っても問題ない地盤へ改良できます。

スラリーはさまざまな現場で使用される

スラリーはセメントなどと水を混ぜたもので、流動性に優れた材料です。
どんな隙間にも入り込めるので、狭い場所や複雑な形状の場所などさまざまな現場で使用されます。
スラリーを活用することで、耐震・耐火性能を高めたり、地盤の安定性を高めたりすることができるので、特性について理解しておきましょう。